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第9話 襲われる

 僕がご主人様のマンションから帰る途中、ミニスカートを履き替えようと公園のトイレに向かうと、急に黒いバンが目の前に停まった。ガラスにスモークが貼ってあって中が見えない。何だろうと僕が思っていると、急にドアが開いて中に引きずり込まれた。  そこで、僕は数人の男に襲われた。顔面を殴られ、お腹を蹴られた。そして、レイプされた。こんなの嫌だ。僕は愛しい人に犯されたいんだ。こんな見ず知らずの人たちから乱暴されたくない。口も肛門も犯された。何度も何度も犯された。汚い液も飲まされた。愛する人の精液は美味しいが、こんな連中のものは汚液だ。僕は吐きそうになった。そして、スマホで写真を取られた。 「あの人と別れなよ、そうしないとこの画像をネットに公開するわよ」  自動車の助手席で女が笑って言った。この女はご主人様と歩いていた女だ。クラブ活動の集合写真にも映っていた。僕はミニスカートとショーツを剥ぎ取られ下半身裸で車の外へ放り出された。そして、黒いバンは走り去っていった。  しばし、僕は呆然とした。そして、カバンからズボンを取り出して履いた。すっかり、身体が汚された気分だ。家に帰って、シャワーを浴びて、浣腸した。あの連中の汚い液を身体から全て洗い落したい。肛門が痛い。連中が乱暴に挿入したからだ。ひどい目に遭った。しかし、こんなことを母には言えないし、実際言っても何もしてくれないだろう。  部屋に戻って僕は泣いた。僕は泣きながら、ご主人様に電話した。全て話すと、ご主人様は驚いてすぐに僕の家に来てくれることになった。 「あの子がそんなことするなんて信じられないなあ」  どうやら、あの女はご主人様に告白したけど、断られてその腹いせに恋人の僕を狙ったらしい。僕はご主人様にお願いした。 「僕の身体にご主人様の精液をかけてほしいんです。それで汚れた身体をきれいにしたい」  さすがにそれは無理だよと言われた。すぐ隣にまことのお母さんが寝ているのにと。 「なら、せめて裸で抱き合ってくれませんか」  ご主人様は少し迷っていたが、結局、応じてくれた。やはり、やさしいご主人様。僕たちは裸になって抱き合った。僕は汚された身体がご主人に抱かれたおかげで少しずつその汚れが消えていく感覚を覚えた。そして、また僕は興奮してきた。 「ご主人様の精液を飲みたいです」  ご主人様の神聖な精液を飲んで、身体の中から浄めたくなった。ご主人様は困っている。隣の部屋の僕の母のことを気にしている。睡眠薬でぐっすり寝ているから大丈夫ですと言うと仕方がないかと応じてくれた。僕はご主人様に椅子に座ってもらって、膝まづいてペニスを口に咥えた。ゆっくりと顔を前後に動かす。ものすごく愛情をこめてご主人様のペニスをしゃぶった。  ご主人様がうめくと僕の口の中に射精した。僕は喜んでそれを飲み干す。とっても幸せな気分。多すぎて口から溢れてしまった。溢れた精液を身体に塗る。あの連中の汚れを少しでも落としたい。そして、またご主人様と抱き合う。  そんな時に家の扉が開いた。部屋に兄が入ってきた。なんでこんな時間に。仕事はどうしたの。裸で僕と友人がいて、そして、僕の口からご主人様の白い精液が垂れ流れている。呆気に取られている兄。ご主人様も呆然としている。無骨な兄が怒り出すのではと僕は怖くなった。兄は僕の親の代わりを自認している様子だったからだ。  しかし、意外にも兄は冷静な態度を取った。家に突然帰ってきたのは現場で事故があって、仕事が中止になって急遽帰宅命令が出たからだ。 「ちょっと、シャワーでも浴びてきたら、二人とも」  そう言われて、シャワーを浴びる。普段ならシャワーを浴びるときも抱き合ったりキスしていたりしていたのだが、今はただお湯を浴びるだけ。部屋に戻ると何だか兄が困ったような複雑な表情をして僕とご主人様を見ている。 「実は、なんか変だなあとは思っていたんだ」  兄も僕の態度に微妙なおかしさを感じていたようだ。しかし、仕事が忙しくあまり考えないようにしていたみたい。僕は兄に訴えた。僕から最初に告白して、ご主人様に必死になって抱き着いたことがはじまりだったってこと。キスもセックス全部、僕からお願いしたってこと。ご主人様は全然悪くない。 「うーん、今はLGBTとか言われて同性愛とかにも寛容だから、まあ、いいか」  案外、すんなりと僕とご主人様の関係を認めてくれた兄。ただ、その兄から聞かれた。その顔のキズはどうしたんだと。僕はレイプされたことを喋った。すると、同性愛には寛容だった兄が急に怒り出した。 「今は、男にも強姦罪が適用されるんだ、警察に行こう」  僕は迷った。僕の恥ずかしい画像がばらまかれるとかそんなことはどうでもいい。ご主人様との関係が、ご主人様のご両親にバレてしまうのでは。しかし、正義感の強い兄にどやしつけられて、僕は兄と一緒に警察に行って被害届を出すはめになってしまった。

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