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俺はΩ

俺が語り始めると、座ろうかと言われて、リビングまで戻った。 ソファは思ってた通りふっかふかだった。ミアが紅茶を出してくれて、それを一口啜ってから話を続けた。 「俺はΩっていって、身体が勝手にαを求めるようになってる。αもΩを求める。βはごく普通の人。αは凄く優れていて、顔や勉強、運動、なんでもできるし完璧。逆にΩは可愛い子が多いけれどαやβより勉強、運動、成績…色々劣ってる。」 ミアは興味深そうに身を乗り出した。 「ふーん?だから可愛い顔してるのね」 「そうかな」 「僕もそう思うよ〜」 「…Ωは男でも女の人みたいに子宮があって妊娠できるんだ。…だから…その…気持ちよくなったら濡れちゃったりするし……ってごめん」 そんなの馴染みのない世界の人たちからしたら気持ち悪いかもしれない。 「へぇ〜不思議だね〜」 レックは呑気な声で言った。 「気持ち悪くない?」 「ううん、全然!寧ろ興味ある」 ミアは目を輝かせて言った。 「あ、あと、発情期に入ったΩが、αのにおいに包まれたい、と本能的にαの衣類をベッドとか、Ωにとって居心地が良い場所に持ち込んで、くるまってαを待つんだよ」 「なんで?」 「んー…なんでだろ。分かんないけど、番が早く欲しいんじゃないかな…。あ、番は基本一生一緒なんだよ」 「知ってる。オオカミがそうだし」 「そうなんだ。なんか似てるね」 「かもね」 なんだか嬉しくてクスクス笑い合っていると、男が溜息をついた。 「んなのどーでもいいんだよ。お前ここに住むんだろ。…その抑制剤調達しねぇとだろ。…薬一つでも残ってんなら複製の魔法かけたらいけんだろ。」 魔法…!あるんだ!見てみたい!…って今気がついたけど名前聞いてないし名乗ってなかった。 「あの、今更だけど…凪隼人です」 「俺はカイ。22だ」 「16歳です」 ペコリと頭を下げると皆目を丸くした。 「えっ、学生?」 「はい」 「わっか〜い!私21!」 「僕はミアと同じ」 そういえばさっきからずっとタメ語で話してた…。うう、失礼かな。 …というか、カイは俺のことここに置いてくれるの? ジーッと見上げると、こっちみんなって片手で顔を覆われた。 「うっ、前見えない…です」 危ない危ない。またタメ語で話すところだった。 「堅苦しいからそれやめろ。普通にしろ」 敬語使わなくて良いってこと?カイ口悪いけど優しいのかもしれない。 「つか発情期いつだよ」 「俺不定期なんだ」 「はぁ?」 カイは驚いたように目を丸くする。 「だからいつ来てもおかしくない」 「ならさっさと行くぞ」 「う、うん」 俺はなかなか薬が効きにくくてキツイのを使っているから副作用が出やすい。好きじゃないし飲みたくないけれど発情するよりはマシ…なはず。それでもやっぱり嫌だなぁと思いながらカイに腕を引かれて家を出た。

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