「っん」 唇が重なって、口を閉じる前に舌が中に進入した。 「んんっ！」 大きな舌は俺の舌を絡め取って強く吸う。舌がピリッと痛む。 「っあ、ん…」 胸も口も気持ちいい。頭がポヤポヤして働かない。 アルファが欲しい、気持ちいい。それ以外なにも考えられない。嫌でも身体は快楽を求める。 俺はカイにギュッと抱きついた。 「や、ぁっ…気持ちぃ…怖い、…でも欲しいっ」 バクバク心臓がうるさい。どっちの心臓の音なのか分からないくらいくっついている。 カイはキツイ何かに耐えるように顔を歪ませた。 「クソッ！」 フーフーと荒い息を吐く口からはさっきまで無かった犬歯がのぞく。 「カイ…」 そっと頬に手を伸ばすと、あ゛？と嫌そうな顔をしながらも振り払わない。 「犬歯が出てるよ」 「っるせぇな」 カイ可愛いかも。そんな風に思うと同時に、後ろが気持ち悪いと感じる。 「ぅんんっ、かぃ…」 「あ？」 「ふっ…はぁ、後ろ気持ち悪いっ、脱ぎたい…」 カイを見上げて必死にお願いすると、ゴクリと息を呑んだ。それから、ニヤッとイタズラな笑みを浮かべた。 「脱がせてやるよ」 「え…えっ、俺自分でーー……」 「うるせぇ、黙ってろ」 ズボンのボタンとチャックを下ろして、パンツを脱がされる。早業だ…。やりにくそうにしてるのに手早い。すごいなぁと思っていると、身体を折り畳まれて、大事なところが全部丸見えになる。 慌てて手で隠すも、すぐに両手を片手で拘束される。 「すげぇ濡れてる。男でも愛液出るんだな」 「ッ〜！！」 その言葉に火が付くようにカァッと熱くなる。 「だ、だってぇ…」 恥ずかしくて、居た堪れなくて目に涙を溜めると、ピクリと反応した。 「期待してんのか？」 「ち、違っ！身体が勝手にーー……」 「勝手に…な。」 なんだか意味ありげに聞こえるのは俺だけだろうか。 ニヤニヤしているカイは後孔に指を添えた。 「入り口まで溢れてる。…ほら」 濡れた指を離して糸が引いているのを見せつけられる。 「ぅ…あ…み、見たくないっ」 フイッと顔を背けると、突然ヌプッと音を立てたかと思えば、指がナカに浸入してくる。 「ひっ…！」 ナカに指を入れたのは初めてじゃ無いけれど、人のが入ってくるのは初めてで怖い。 「ナカあっつ」 身体が勝手に期待して、きゅうきゅう指を締め付ける。 「やらぁ…っ」 背中や腰を走るゾクゾクが怖くて、ギュッと抱きついた。身体が密着すると、カイの大きなソレがゴリッと押しつけられる。 「っんぁ！」 布越しでも気持ちいい。こんなの初めてでもうすでにおかしくなっちゃいそう。熱と、カイの濃いフェロモンでクラクラする。 「かいぃっ…」 「っはぁ、…んだよ」 「も、おかしくなっちゃう…気持ち良すぎて怖い」 ポロポロ泣きながら言うと、ギリッと歯軋りがして、クソッ！と叫んだ。 突然のことに目を白黒させる。 「人の気も知らねぇで…！いい加減にしろよ！！」 「っ…そ、そうだよね。ごめーー……」 「お前が可愛すぎてどうしたらいいか分かんねぇんだよ！！」 顔を真っ赤にして怒ったように俺にぶつける。 「…え？」 目をぱちくりさせて首を傾げると、我に帰ったようにハッとした。