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ー鼓動ー24

 確かに俺達兄弟っていうのは、離れていた時間というのが長かったからなのか、歩夢と朔望というのは俺にこうやってベッタリとしてくる。 でも俺というのはこう他人とべったりとするのは苦手な方だ。 寧ろ慣れてないから苦手なのかもしれないのだけど。  いや、もしかしたら今まで二人と離れていた分、二人に対してどう接したらいいのか? っていうのが分からないだけなのかもしれない。  兄弟でって思うなら、これが普通の事なんだろう。  しかも三人共医者なのだから、たまにはこうやって話し合うのもいいのかもしれない。 だがいくらなんでもちょっとばかし、二人が俺にくっつき過ぎ。 俺が窮屈と思う程に二人は本当にべったりとくっついてしまっているのだから。  しかも学会での資料とかも見せてくれた。  ……そういや、この島に来てから、学会とかに出てないな。  医者という仕事は学会に出る事で結構勉強にもなる。 自分達も見た事のないような症例があったりして、これからそういうような症例が他の病院でも出てしまった時にどう対処したらいいのか? が分かるからだ。  後、朔望のパソコンにはDVDも付いていて、歩夢がやっていた手術を見せてくれた。  歩夢も見ないうちに医者として成長しているのかもしれない。  だからさっき診察している時に悪くはなかったというのか、寧ろ丁寧な感じがする。 「え? そういや、歩夢は何科を選択したんだ? 確かにさっき診療所の方を手伝わせたけど。 ま、今は研修医時代に色々な科を経験してくるから問題はなかったんだろうけどさ」 「ん? 心臓外科」 「はぁいいい!?」  その歩夢の言葉に俺の方はマジで驚く。 「へ? 何でまた!? 心臓外科に?」 「……って、兄さん、ホント、僕の事分かってないよね。 僕って大学でも一番頭が良かった訳……だから、一番頭を使いそうな科を選んだって訳なんだけど」  その歩夢の言葉にホント驚きの声しか出て来ない。  歩夢が大学で成績が一番良かっただとか、心臓外科を選んでとか。 本当の話なんだろうか? って疑問に思う所なのだが、よく考えてみるとさっき朔望にDVDを見せて貰った時に確かに手術していたのは心臓の部分だ。  今の時代、本当に専門分野的な事が多すぎる。 いや昔の方が少なかったのかもしれない。  そう今は外科は外科でも今歩夢が言っていたように心臓専門で診る心臓外科医も居れば脳専門で脳外科医と各専門科として別れている時代でもあるのだが、歩夢がまさか心臓外科医になっているなんて思ってもみなかった事だ。

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