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ー鼓動ー116
「え? ぁあ! そうみたいやんな。 せやけど、気にする事ないやろ? 一緒に入るんやしな」
「え? あ、まぁ、そうなんだけどさ」
確かに雄介の言う通りだ。 もう二人で入るのであれば確かに気にする所ではないのかもしれない。
それに俺はさっきこういう所に来た事を吹っ切った筈だ。
俺はいつものように雄介の目の前で洋服を脱ぎ始める。
そう島にいる時だって、和也と裕実は一緒にお風呂に入っているんだから、俺達の方もそこは遠慮無しに一緒にお風呂に入っている。 そこはもう慣れていたからなのかもしれない。
ただココがホテルだという事を意識しなければ普通に脱ぐ事が出来る筈だ。
そして俺は眼鏡を取って洗面台へと置くと、雄介と一緒にお風呂場へと向かうのだ。
お風呂場からだって、当然お風呂場の部屋面の壁がガラスになっているのだから部屋内が見えるという所だろう。
「へぇー、やっぱ、中から部屋が見えてしまうんだな」
「ああ、そうみたいやね」
そう言いながら雄介はシャワーの蛇口を捻るのだ。
「望……先にお湯浴びてええで」
「え? あ、おう」
そう言われて俺はシャワーのお湯を頭から浴びる。 汗でべた付いていた体にはホント丁度いい温度だ。
そして汗を掻いた体に泡を付けるともっとサッパリとした気分になる。
「ふぁぁ!! マジ気持ちいい!!」
それが今の俺の素直な感想だった。
最後に顔と頭を洗ってスッキリとする俺。
そして浴槽へと入る。
しかしこういう所の浴槽というのは一般家庭のより少し大きめのような気がする。 当然、浴槽も広いんだからお風呂場だって広いようだ。
大人でも悠々入れるような広さはあった。
雄介が体を洗っている中、俺はそのゆったりとした浴槽の広さに体を完全に委ねて浸かっていた。
そう俺は浴槽に浸かるのは苦手だったのだけど、雄介は浸からないと疲れが取れた気がしないという人間だったから雄介とお風呂に入る時というのは浸かる事が多くなった為慣れたという事だ。
それからは確かに浴槽に浸かった方が疲れが取れるような気がして、雄介と入る時というのは浴槽に浸かるようになったのかもしれない。
そして雄介の方も体を洗い終えたのか雄介も浴槽へと入って来る。
「はぁー、ココの風呂……めっちゃ広いやんか」
「あ、そっか、雄介は普通の人より背が高いから、家の風呂だと足とかって伸ばせてなかったしな」
「そういう事やんな、ここの風呂やと足伸ばせるしなぁ」
そう正面同士で会話する俺達。
雄介の言う通りで雄介が浴槽に入って来ても二人共、足を伸ばせる広さがある。
「やっぱ、たまにはこういう所に来てみたいもんだな」
「それは流石に無理だろ?」
「まぁな……」
「今回の場合には特別だったし、それに、朔望達もたまたま島に来てくれたおかげで俺達の方は東京に来れたんだしな」
「ま、確かにそうだったな」
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