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ー鼓動ー118
そう考えると少し気が重くなってきた。
……いや、雄介に抱かれるのは嫌ではないのだけど、好きではないのかな? それに久しぶりだし、やっぱ恥ずかしいっていう所が一番憂鬱な所なのかもしれない。 だって、もうココに来ているって事は後はもう雄介に抱かれるって事しかないのだから。
俺は雄介の後に付いてベットの上へと座る。 って言ってもまだ端っこにだ。
俺はそういう事に関してガッツくようなタイプではない。
そして雄介の方もそんな俺に気付いたのか俺の隣へと腰を下ろしてくる。
だけど何かする訳もなく、目の前にあるテレビの方に視線を向けているだけだった。
その行動に俺の方は目を丸くしている位なのだから。 というのか拍子抜けしている俺。
もうてっきり雄介が俺の事を抱く気満々だって思っていたからなのかもしれない。
それから雄介はただただテレビの方に視線を向けているだけだ。
この時間っていうのはゴールデンタイムという時間というのは過ぎていてお子様達というのはもう夢の中の住人になっている時間帯。 だからなのか少し大人向けの番組が多いのかもしれない。
そして暗い中でテレビだけが付いている状態だ。
でも俺の鼓動というのはまだまだ高鳴り続けている。
静かな空間というのか本当にただただテレビの音だけが部屋内を支配している状態が続いていた。
本当にその間、雄介というのはテレビから視線を離さないでいる。
しかしここまで来ると逆にこっちが「どうしたんだろ?」と心配になってくる。
特にこの時間帯のテレビ番組というのは面白い番組っていうのはやってなかったと思うのだけど。 それだけ雄介はテレビにかじりついて見ているのだから面白いのかもしれない。
……だからって、俺の事を見ないっていうのは?
その事を心の中で思ってしまった俺って……結構、雄介に対して重症なのかも。
その事を思った瞬間、急に顔が真っ赤になったのが分かった。
……テレビに嫉妬する俺って、結構ヤバい!? いやいや、俺は本当に雄介の事が好きだし! だから、だからに決まってんじゃん!
「やっぱ、恋愛って男が引っ張っていった方がええもんなんやね」
「……へ?」
「ん? 今やってたテレビ番組でそう女性にアンケート取って、それが、ナンバーワンやって言っておったから」
そう静かに言う雄介。
……あ、そういう事か。
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