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ー鼓動ー126
「え……あ……あー」
俺は完全に雄介から視線を外して答えている。 でも流石にそういう事に関してはそう簡単に答えられる訳がない。
雄介は今自分で言っていた通りに玩具を選び始めていたのだ。
その姿をチラッ……チラッと見てしまっている俺。
恥ずかしいと思いながらもやっぱり人間なのだから、こういう事に関しては興味があるとか期待してるとかって事だろう。
「ほな、この細くて長いのにしようかいな?」
そう言って雄介が取り上げたのは雄介も言っていた通りに細くて長くて配線の先にリモコンが付いている玩具だ。
「望位やったら、久しぶりやし、こん位のがええやろ?」
「え? あ、ぅん……」
流石にいきなり大きいのは無理だと思うのだけど、ま、それ位ならいいと思ってしまった俺は軽く頷いていた。
「ほな、これな」
俺は恥ずかしさのあまり雄介を抱きしめるように掴まり瞳を閉じる。
俺は未だに雄介の膝の上にいるのだ。
部屋内には雄介がもう玩具のスイッチを入れたのであろう。 その玩具の振動音が響き渡る。
俺の背中のラインからゆっくりとその振動を響かせている雄介。
それだけでも今日の俺は体をビクリとさせられていた。
「ふぅ……ん!」
自然と体に力が入ってしまっている俺。
その玩具は背中のラインを通り過ぎると尾骶骨を通り、いよいよ後ろの蕾へと向かっているようだ。
「ぁ……ちょ待って!」
「……へ?」
「あ、その……そこ……まだ、濡れてない」
「あ……?」
そこで雄介は何か考えているようだ。 そして俺の今の言葉で俺が何が言いたいのか分からなかったようで、
「濡れてないって?」
そう素で聞いてくる雄介。
素で聞いてきているようなのだから、どうやら本気で分かってきてないようだ。 もし、これが和也なら絶対に下心ありで聞いてくると思うのだけど。
たまに雄介って抜けていると思う時がある。 今はその状態なのであろう。
「あ、だから……ローション……中に……」
……流石にここまで言えば分かるだろ?
雄介は俺の言葉に少し考えた後、
「あ! そっか! ホンマ……素で忘れておったわぁ!」
そう嘘偽りもないような表情で言う雄介。
……やっぱ、そうだったか。
そう思う。
「スマン、スマン……ホンマに忘れておったわぁ。 望が言うてくれんかったら、ローション無しのまま、この玩具を望ん中に入れるとこやったわぁ」
そう言いながら雄介は一旦その持ったいた玩具をベッドの上へと置きローションを手にするのだ。
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