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ー鼓動ー136

 するとその途端、俺の中に入っていた玩具が動き始める。  奥に入ったり外へ出たりを繰り返す玩具。 「え? ぁ……んん!」  気持ちいいのか? 痛いのか? っていうのがよく分からなくて雄介の肩にしっかりと腕を回して耐えていた。  ……今までこんな事した事があったっけ?  と俺が考えてしまう位だ。  もしかしたら無かった事だったのかもしれない。 「ぁ……ちょ、やぁ……ぁああん!」  男にとって中にあるポイントは本当に弱い所だ。  そこを指でも玩具でも突かれたら誰でも気持ちいいに決まってる。  でも俺はもう雄介とは何回も体を重ねているのだから、そこが気持ちいいのは知っている事だった。  いや自分自身も分かってる事だけど体も十分に知っている。  そりゃ医者という立場なのだから、その位の知識はこういう事をする前から知っていた事だったのだけど、まさか本当にここまで中にあるポイントという所が気持ちいい所とは知らなかった事だったのかもしれない。  雄介だって十分に勉強してきた所だろう。 だから余計に知識を得たという所なのかもしれない。  そして今日の雄介は異様にそこを玩具で突いてくる。  その度に俺は声を上げてしまっていた。 「ぁんっ! やぁ……ぁああ!」  ……素直にそこは気持ちいい。 だから声だって勝手に出てくっていうもんだ。  ジェットコースターに乗った時にだって声を出した方が気持ちいいのだから、こういう時にだって声を出して行った方がより気持ち良さを感じれるのかもしれない。  やがて俺の体は腰が動いて来ていた。 「腰……動かしてきて、どないしたん?」 「……へ? ぁ……いやぁ……ん……」  そう雄介に指摘されて簡単に答えられる俺ではない。  何とか喘ぎ声で誤魔化すのだ。

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