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ー鼓動ー137

 喘ぎ声で誤魔化せたと思っていた俺なのだけど、フッとある事気付いた。  ……もしかして喘ぎ声で誤魔化せたと思っていたのだけど、雄介に誘導されてたのか!?  いや雄介の事だからそういう事は何も考えていないだろう。  これが和也なら完全に誘導されたと思う所なのだけど。  雄介に関してはそういう所、全く何も考えてないでそういう風になっているのだから凄い所だ。  それに俺が喘ぎ声で誤魔化していた事だって突っ込んできやしない。 「もう、玩具のスイッチ入れてもええ?」  そうもう次の言葉を言ってる位なのだから。  俺はその雄介の質問に雄介の肩に顎を置いていた俺はうな頷いていた。  それに雄介は気付いたのか気付いていないのか? 分からない所なのだけど雄介は玩具のスイッチを入れたのだから、俺のそのサインに気付いたのであろう。  そして玩具のスイッチが入れられる。  玩具というのは人間の体を快楽へと導く為に作られているのだから本当に快楽しか生まれて来ない。 「ぁあああああん!!」  俺自身も俺の体も玩具という物は知っている。 だからなのかスイッチを入れたと同時に俺は喘いでいた。  それと同時に雄介はその玩具の出し入れを始める。  ギリギリまで出して中にあるポイントを目掛けて突くを繰り返す雄介。 「ぁ……ぁんっ! やぁん! ……ぁあ!」  そのリズムに合わせて俺の口からも声が上がる。  だけど意地悪の為か雄介はその玩具をポイントを突く前に止めてしまい中途半端な所で振動を続けている玩具。 それでも玩具は俺に快楽を与えてきていた。  ポイントを突かれている快楽とは違い中途半端な所で振動させられていると緩やかな気持ち良さだ。  だからなのか俺の方も、 「ぁ……はぁ……ん……」  そうやって緩やかな声しか出てこない。

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