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ー鼓動ー138
しかしいつまでこの体勢でいるのであろうか。 別にキツいとかそういう訳ではないのだけど……でも、この体勢だと体が密着されていて心臓の鼓動や俺の体から出ている熱までも雄介に伝わってしまいそうで、少し恥ずかしくなってくる。 声だって……きっと……雄介の耳横なのだから雄介に丸聞こえだろう。
よくよく考えてみると、この体勢って全体的に恥ずかしいのかもしれない。
でも相手の温もりや心臓の鼓動をお互い聞けるのだから安心な体勢でもあるということだ。
「……望……大丈夫か?」
そう優しく聞いてくる雄介。
「……へ? あ、ぅん……」
その質問に俺は素直に頷く。
「そっか……ほなら、良かった。 キツかったら言うてなぁ」
「え? あ、ぅん……」
そう俺に対して気を使ってくる雄介は本当に優しい。
そしてまた優しく緩く雄介は中にある玩具の出し入れを繰り返してくる。
「ふぅ……ん……ぁ……」
激しくやってくる人もいるのかもしれないのだけど、本当に雄介は自分の欲だけで動いている訳ではない。 確実に俺に気を使ってやってきてくれているのは十分に伝わってきている。
再びポイントを玩具で突いてくる雄介。
「やぁ……ん……ぁああ!」
「気持ちええ?」
「あ……ぅ、ぅん……」
その質問に俺は無意識に答えていた。
「痛いって言われるより、気持ちええって言うてくれた方が俺的にはええわぁ」
「……へ?」
……それが、雄介の本音!?
やっぱり雄介は自分の欲で動いていない事が今の言葉でよーく分かったような気がする。
だから試しに俺は雄介に聞いてみることにした。
雄介の肩に両手を付いて雄介の事を見つめると、
「なぁ? 雄介って……こういう事するのあんまり好きじゃない?」
と本当に真剣にきいてみた俺。
「……へ?」
その質問に目を丸くして雄介は俺の事を見上げてくる。
少し間を空けた後に俺から視線を外して雄介はちゃんと俺の質問に対して考えてくれているようだ。
その後、
「俺は……そやなぁ、嫌いでもないし……好きでもないっていう所なんかな?」
その答えに今度俺の方が目を丸くする。 いや寧ろその答えに未だにハテナマーク状態だった。
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