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ー鼓動ー140

 雄介はそう俺に告げるだけ告げるとベッドから降りて行ってしまう。 「まぁ、玩具はその店に望の事連れて行きたかったから買ったんやけど、その他の物は家の地下にあるやろ? せやから、そこから持って来たもんもあるんやで」 「……へ?」  俺は何故か雄介の姿を目で追っていた。 すると雄介は今日ずっと持っていた鞄の中から何かを持ってベッドの上へと上がってくる。 「ちょ、お医者さんゴッコしながらやってみたいんだけどなぁ」 「はぁあああ!?」 「前にやった時は俺はまだ正式な医者やなかったし、今やったら正式な医者になってるから知識とかも勉強してきたし、今持ってきた物をちゃんと扱える事も出来るようになったしな」  ……だからって、それは……。 「ほな、俺……白衣でも着ようか?」 「あ、いや、それはもう見慣れてるんだけど」 「ほなら、KCタイプのは? それとも術着か?」  雄介はベッドの上に胡座をかきながら俺に白衣やら術着やらを見せてくる。 「なら、KCでいいから……」  と答えてしまっていた俺。  それを答えてしまってから気付く、  ……って、何で俺KCって言ってしまったんだろ? 「ほなら、KCな」  ……じゃねーし!  でも俺が言ってしまったんだから仕方がないといえば仕方がない。  ……って流石に術着はな。 それは流石にいただけない。 ってか、親父が作ったあの部屋には術着も置いてあるのか。  いつも雄介は白衣を着ている。 KCは病院で何回か着ていた事もあったけど、とりあえず雄介はなに着ても似合う。  雄介は本当にそのKCに着替えていた。  その着替える姿だって雄介は画になる。  白いズボンに白い服。 首までのボタンを閉めて横のボタンを締めれば完成だ。  普段は男性の看護師さんが着ている服なんだけどな。 研修医も着てるのかな? って事は一時期雄介も着てたんだっけ?  ……あーやっぱり……似合う。  不覚にも雄介にはそのKC姿が似合ってると思ってしまっている俺。  本当に雄介はズルすぎる。  もう見ていられないと思い俺は枕へと顔を埋めてしまっていた。

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