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ー鼓動ー142

 そして俺は雄介の唇からゆっくり唇を離していく。  離れてもお互いまだ見つめ合ったままだ。  雄介は俺に向かって微笑むと、 「今の望からのキスで望が俺ん事好きなのがよーく分かったわぁ」 「……へ? あ、ぅん」  そんな事を言われると流石に恥ずかしい気分になってくる。 「ほんでもって、望からキスしてもらえると……めっちゃ甘い」  更に恥ずかしい言葉を続ける雄介。 「せやけど、同時に望が俺に対する想いも十分に伝わってきたしな」 「え? あ……ぅん……」 「これで、まだまだお互いに好きやって事やね」 「え? あ……ぅん」  そう今の俺にはそうしか答えられなかった。  でも雄介にも俺の想いを伝える事が出来て良かったのかもしれない。 「今、話していた時間とキスしていた時間で……望ん中……玩具で十分に解れてるんと違う?」 「え? あ……」  そう雄介に言われて中に玩具が入ってる事を思い出す。  雄介にそんな事を言われるまで中に玩具が入ってる事忘れていた位だ。  今は玩具なんかの事よりお互いの気持ちを確かめる方が上だったのかもしれない。 だから玩具の事なんて忘れていたのであろう。 「ほな、どうする? もう、挿れてもええ?」  その雄介の質問に俺は少し考える。  もうちょっと雄介とこういう時間を過ごしたいと思ってしまっている俺。 だって、この機会を逃してしまったら、またいつもの生活に戻ってしまうのだから、まだまだ雄介とこういう時間を過ごしていたいと思ってしまっている。 「……え? あ、まだ……かな?」  その雄介の質問にどうにか時間稼ぎをしようとしている俺。 「ほな、どないする? キスも十分過ぎる程してもうたし、中も多分俺の挿れられる程解れていると思うし」  そう言う雄介に俺は言葉より先に雄介の体をベッドへと押し倒していた。 「まだまだ、やる事あんだろ?」  そう言うと雄介はまた目を丸くしながら俺の事を見上げてくる。 「……へ?」 「だから……」  そう言うと俺は一回雄介の膝から降りてベッドの上へと腰を下ろすと俺は無言で雄介のモノを口に含んでいた。 「ん……!」  いきなりの事で雄介の方も準備していなかったのかもしれない。 雄介の口からは詰まったような声が漏れてきたのだから。

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