156 / 856

ー鼓動ー156

 今度、雄介は俺の体を両手で支え首筋や鎖骨辺りへと舌を這わせていた。  それだけでも俺の体はピクリピクリと反応している。  俺は今まで何回雄介とこうやって体を重ねてきたのであろうか?  だから体は雄介を欲しているのかもしれない。 好きだから何回でも体を重ねたいと思ってしまっている俺。  もう俺の体は雄介に溺れてしまっているのであろう。  やがて雄介の舌は胸の突起の方へと進んでいく。  そして舐められまたピクリとする俺の体。 「ぁ……んん!」  男だってココは弱い所だ。 ましてや、恋人なのだから余計に感じてしまうというところであろう。  好きだから感じて上げたいと思う。 好きだから、もっとやって欲しいと思ってしまう。  いや今の俺はもっともっと快感に溺れたいと思っているのかもしれない。  気づいたら俺の手は手持ちぶたさだった。 雄介に感じさせてもらうのもいいのだけど……たまには俺から何かをして上げたいと思ってしまっている。  ゆっくりと手を動かし、雄介のモノをズボンの上から触れてみる。  すると雄介は体をピクとさせ一瞬動きが止まったようにも思えた。  俺の視界からは雄介のモノは見えていない。 だけど、だいたいの位置は分かる。 「な、もしかして……お前……ズボンの下に何も履いてない?」  たまには俺が意地悪な事を言ってもいいだろ? 「ん? ……へ?」  と雄介は俺の胸の突起から唇を離し俺の事を見上げて来る。 「だから、ズボンの下に下着履いてないだろ?」 「え? あ……まぁ……そやな。 だって、さっき着替える時に下着は履かんかったしな」 「フフ……そうだったんだ。 だから、ズボンの中でお前のモノが膨らんでいるのも分かるし……濡れてるのも分かったんだな」 「……へ?」  とその俺の言葉と同時に雄介が顔を赤くしたのが分かった。  ……フフたまにはいいよな? 俺がこういう事言うのもさ。 「雄介のズボンの中で雄介のモノが窮屈そうにしているんだけど」  そう俺はまた意地悪のつもりで言った筈だったのだけど雄介は、 「そりゃ、望とこういう事しとるからな……もう、中で俺のモノは窮屈そうにしとるって訳や」  そう雄介に返されてしまった。 「それに望だけにしかこう俺のモノは勃たんし、例え他の誰かが言い寄って来ても俺のモノは望にしか勃たんからな……安心して……」  その雄介の言葉にため息が出そうになる。  そうだ、俺が雄介に意地悪な事しようとしたのが間違っていたのかもしれない。 こう言う事に関してはやっぱり雄介の方が上だっていう事を改めて教えてもらったような気がする。

ともだちにシェアしよう!