169 / 856

ー鼓動ー169

「ま、それはええとして……ホンマどないしようか? 遊園地には行ったし、海のも行ったしなぁ、こう夏を満喫するような事ってないんかな?」 「俺はそういう遊びについては全然体験してきてねぇから分からないぞ」 「かといって、プールっていう年でもあらへんしなぁ」 「男性二人でプールっていうのもな」 「それは確かにあるな。 それにナンパ目的でよってくる女性も居るやろうし」 「確かにそれはめんどくさいよな」 「そういうこっちゃ……前にそういうのあったしな。 ホンマ暇を持て余す方が俺らは苦手なんかもしれへんな……ほなら、今日は春坂病院で働くっていうのはどや?」 「……へ? あー、どうせ暇なんだから働いていた方がいいって事か?」 「そういう事……。 それに、今は朔望達も居らんのやろうし、人手不足なんと違うかな?」 「ま、それはあるのかもな! んじゃあ、そうすっか!! それにまだ九時まで少し時間があるしな……ま、救急でも何でもするって事でさ」 「よっしゃ! それで決まりやな!」  雄介はご飯を食べ終えると気合いを入れる為か体を伸ばしていた。 「よしっ! 俺も食べ終わったし行こうか!」 「おう!」  結局、俺達は休みなのに春坂病院へと向かうことにする。 「まぁ、明日はとりあえず雄介の検査があるから、明日はダメだけど……明後日、明々後日もそうするか?」 「ええんやない? 俺はその方がええし」 「じゃあ、親父にそう連絡入れておくな」  そう言うと俺は携帯を取り出し親父にメールをしておく。  すると親父から返事が来て、 「いいってさ……籍は一応まだ俺達も入ってるらしいからよ。 まぁ、流石に診察の方はいいらしいから、救急の方でって書いてあったしな」 「まぁ、救急でも何でも働ければええし、これだけ休んでまうと診察とかってなまってしまいそうやしな」 「それはあるのかもしれねぇな」  何だか俺達は急にやる事が出来て元気が出てきたような気がする。  そして春坂病院へと到着し親父の部屋へと向かう俺達。  すると、もうそこには白衣が用意してあって俺達はそれに着替える。 「やっぱ、俺達にはこういうのがいいよな?」 「せやな……やっぱ、ゆっくりするより働いていた方がええわぁ。 よしっ! 着替えたし行こうか!」  と雄介の顔はもう仕事モードに入ってるようで気合いが入っている。 それでさえ今はカッコいいと思う程だ。

ともだちにシェアしよう!