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ー鼓動ー170
結局俺達には暇を持て余すという事は出来なく働く事にした。
働ければ何でもこなす。
そっちの方が寧ろイキイキ出来るという事であろうか。
今は初めて雄介と一緒に働いているのかもしれない。
今まで科が違っていたから一緒に働くって事はしてなかったけど今は同じ救急にいる。
雄介の判断力、患者さんを助けたいと思う気持ち見てるだけで伝わってくる。
本当に雄介は医者になったんだと改めて知った瞬間だった。
そして、その姿がカッコいいとも思う。
俺達は今日一日春坂病院で働かせてもらって爽やかな気持ちで家路と帰る。
「ぁあー!! 今日はホンマスッキリさせてもらったわぁ」
帰る途中に雄介がそう漏らしてくる。
「確かにな……やっぱ、俺達には暇な時間よりこうして働いてる方がいいって事が分かったな」
「確かにそうやんな……生きとるって感じもするしなぁ」
そう笑顔で言う雄介。
そんな雄介に久し振りにドキッとしたような気がした。
「ほな、今日の夕食は何にしようか?」
「フフ……いつもの事だよな?」
「え? あ、まぁ」
「ホント、お前って疲れ知らずの体なのか?」
「そういう訳やないんやけど……何やろ? もう癖みたいなもんやんか……ご飯作るのってな」
「え? あ、まぁ、そうだけどさ」
……ま、いっか。
と心の中でそう思うと、
「じゃあ、ハンバーグ!」
「せやな……頑張った後には肉食わなぁな。 今日の仕事でエネルギー結構消費しとるし。 ほな、スーパー寄ってこ……」
その雄介の言葉に思いっきり頷く俺。
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