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ー鼓動ー177

 これだっていつもの事だった。  本当に雄介というのは豆に動いていると思う。  ただそれは俺の為にとは言っていたけど……。  好きな人の為なら動く。  確かにそうなのかもしれないのだけど、果たして実際に俺に雄介の為に動くって事が出来るのであろうか。  雄介の為に動くって事なら、確かに今までに何回かあったのかもしれないけど……雄介まで動いた事はなかったのかもしれない。  雄介はお風呂の用意をして戻って来ると、 「ほな、風呂入ってからどないする?」 「……へ? だって、今日はもう寝るだけだろ?」 「あ、まぁ……そうやねんけど……今からの時間帯は大人の時間やろ?」  その言葉に俺は瞳を座らせ、雄介の事を見ると、 「あのさ……また、ヤろう! って言うんじゃねぇだろうな?」 「違うって!」  そう直ぐに否定してきた事から雄介の場合には違うのかもしれない。 「……へ? そうなのか!?」  と今度俺の方がちょっと拍子抜け状態だった。 「じゃあ、なんだよ……。 そういう風に言うって事は何か意味があんだろ?」 「んー……ただな……二十一時過ぎておったからそう言っただけであって、意味はないんかな?」  そう言われて時計を見ると確かに時計の針は二十一時を差していた。 「あ……」  ……そういう事か。  ゴールデンタイムを過ぎて確かに二十一時という時間帯というのは大人の時間なのかもしれない。 「せやから、イチャイチャ位はええやろ?」 「……へ!? イチャイチャ!?」 「別に俺はシたいとは思わへん……だって、昨日ので満足したしな。 せやけど、たまには望とそういう時間があってもええんと違うかな? って思うただけや」  そうストレートに言われるとまだ抵抗があった。  それは恥ずかしいと思うからだ。 「そのお前が言うイチャイチャな事ってなんだよ」 「ん?」  そう雄介は考えると、 「キスとかなんかな?」 「キス!? ってさ……いつもしてんじゃん」 「俺は何があっても一日一回位はしたいと思うとんねんけど?」

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