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ー鼓動ー188
「こう、いつもなら喋るし、こうなんていうのかな? 喋らない雄介は変っていうのか」
そんな言い方をしてしまったのに雄介は笑ってしまっていた。
「俺にだってそういう時あるわぁ。 なんて言うんかな感傷に浸ってたっていうんかな? いやな……前にココで地震あったし、あの頃は街が消滅してもうたみたいに酷い有り様だったやろ? それやのに今ではいつもの日常の風景に戻ったっていうんかな? これが地方の方やったら人は戻って来ぇへんやろうけど……東京やといっぱい人は戻って来るやなぁーと思ってな……」
「あ……」
そう言われてみればそうだ。
確かに雄介の言う通りなのかもしれない。
地方では何か災害があると人が戻って来ないと言われているのだけど、東京はどうやら違うらしい。
さっき歩いていた時にもそれは感じた。
震災直後はサラリーマンだって仕事が休みだっただろう。 子供だって学校に行けてなかっただろう。
そう考えるともう日常を取り戻しているのかもしれない。
「やっぱ、普通が一番って事なんやろうな……って思っておったんやって……」
「まぁな……」
「そうやなかったら、望とこうイチャイチャする暇もないやろ?」
「え? あ、うん……」
外でそういう事を言われて流石に恥ずかしかったのか俺は俯いて答える。
平和が一番いい。
それが今は何よりも感じられる。
日本は戦後、アメリカに負けて、それ以来戦争はしないと決めているのだから日本では自然災害だけが平和ではない事なのかもしれない。
でも自然災害だけは分析が出来ても免れる事が出来ない事だろう。
俺達は地震だけ経験してきたのかもしれないのだけど、その他にも自然災害は沢山ある。
昔の人はこうも言っていた。
『地震、雷、火事、親父……』
と……。
自然災害が被害が大きい順に言われているくらいなのだから。
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