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ー鼓動ー204
少し考えた挙句うどんにしておく。 それくらいなら胃に負担はかからないからだ。
前に雄介に作ってもらった事がある料理があるのだけど流石に俺にはそこまで出来ないから、うどんを茹でるだけのうどんだ。
それらをレジへと持って行って会計済ませるとスーパーを後にする。
帰宅してみると雄介がソファに座ってテレビを見ている姿が目に入ってくるのだ。
「もう、大丈夫そうなのか?」
「ん、まぁ……少しは頭がフラフラしてるけどな……一眠りしたらちょっとは平気になったみたいや」
「そっか……良かったな。 とりあえず、水分は?」
「大丈夫やって……子供やないんやから、熱中症の対処方法位分かっておるし、起きた時に飲んだしな」
「んじゃあ、まだまだ水分足らないだろうし……麦茶飲むか?」
「あ、ああ! そうやな……」
そう答える雄介は笑顔だ。
ただ何故雄介が笑顔なのかが分からない。
俺はコップに氷と麦茶を入れると雄介の所に運んで行く。
そして雄介の隣へと腰を下ろすのだ。
「買物行ってくれてたんか?」
「え? あ、ああ。 とりあえず、飯はどうするんだ?」
「ほな、食べておこうかな?」
「ただのうどんだけだぞ」
「そんでも望が作ってくれるんやろ?」
「そりゃ、雄介がそんなんじゃ……俺が作るしかないだろ?」
「ほな、食べる」
「なんだそれ」
「俺やってたまには望が作ってくれたもん食べたいもん」
「クス……ま、いいか」
そう言うと俺は一気に麦茶を飲み、
「んじゃあ、作ってくるな」
そう言うとキッチンへと向かう。
キッチンに立ったのだっていつ振り位なんだろう。
とりあえず買ってきたネギを刻み始める。
雄介とまではいかないものの俺は料理が出来ない訳ではない。
これでも高校生位から自炊はたまにしていたのだから出来なくはない。 だけど雄介と住むようになってからは殆ど雄介がご飯を作ってくれていたのだから、本当に料理をするのは久しぶりだった。 こうして雄介が病気になった時にだけ俺が料理をする位だっただろう。
でも体は覚えている。
ネギを刻み終えると今度はうどんを茹でるのだ。
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