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ー鼓動ー217
「そういうもんなのか?」
「まぁ、そういうもんやと思うねんけど……」
俺はそのまま指先を雄介の胸の方へと滑らせてみる。
俺は今までこういう事はした事がない。 だからなのか今はどうしたらいいのか? っていうのが分かってないのだけど、とりあえず雄介がいつもやってくれるようにやっている状態だ。
それでも雄介は指を這わせているだけで時折体をビクつかせている。
普段は攻めの人間もこういう事されると案外体の方は反応しているのかもしれない。
「なんや……くすぐったいだけやんか……」
「そうなのか?」
俺はこうやられるとくすぐったいを通り越して今は気持ちいいの方なんだけどな……と思う。
「でも、体ビクっ! ってしてないか? もしかして、強がりなんだとか?」
とふざけて言ったつもりだったのだけど、
「そりゃ、くすぐったいと思ったら体はビクってするもんやろ?」
……あ、そっか……そういうもんなのか。
そう俺の方は納得してしまっていた。
俺は指先を二本へと増やし、さっきのように雄介のお腹や胸の辺りを這わしていく。
腹筋に胸筋。
本当に雄介の体は鍛え抜かれているのであろう。
本当に今までこんなにマジマジと雄介の体を見たことがなかったから本当に凄いと思ってしまっている俺。
「そんでも……俺の場合はくすぐったいだけなんやけどな。 ホンマにこういう事されて気持ちええもんなんか?」
「え? あ……んー」
そう言われると考えてしまう。
確かに俺の場合にはそれだけでも気持ちいいけどな。
「あ、いや……俺もくすぐったいだけかな?」
そう答えてしまう。
「ホンマに?」
「ああ、うん……」
「ほなら、ええんねんけど」
こうやって喋れるという事はまだまだ雄介には余裕があるという事であろう。
……ただ単にやっぱ俺が下手くそなだけなのかな?
でももう雄介の胸の突起は勃っていたのだから、ちゃんと雄介も感じてくれているという事だろう。
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