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ー鼓動ー218

 ……んー。 ホントどうしたらいいんだろ? 雄介にとっては、ただくすぐったいだけのようだし。 胸を触ってみたらいいのかな?  そう思うのだけど俺自身男の人の胸の突起なんて触った事がない。 だからなのか少しどころか抵抗があった。  だからまだ雄介のお腹や胸の周りを指先で這わせているだけなのだ。 「ちょ、ホンマくすぐったいだけなんやけどな」 「え? あ、うん……」  今の俺にはそうしか答えられない。  やってやる! と最初は意気込んでいたものの未だに胸の突起を触ることに躊躇していた。  ……本当に触れてもいい?  自分の心のそう問い掛ける。  どう触れてみたらいいんだろ?  俺はただそれだけの事を考えていて雄介の体を見つめているだけだった。  すると雄介は急にため息を吐く。 「まだか? もしかして、俺の胸触れないでおるんか?」  そうストレートに今俺がまさに迷ってる事を聞かれる。 「あ、え? いや……」  そうまだ強がりを言う俺。 「そろそろ先に進んでくれへんと……」 「分かってるからっ!」  そう投げやり気味に答えてしまっていた。  すると雄介は俺の手首を取って自分の胸の突起を触らせてくる。 「……へ?」 「どや? 俺の胸触ってみるの……」 「え? あー……」  その感想をあまりの恥ずかしさで視線を反らしている俺。  おかしい……。 今日は俺が雄介の事を責めるつもりでいるのに何だか雄介に誘導されているような気がする。  ……あ、ちょっと硬いし少しばかり柔らかいのかな。 「摘んでみてもええで」 「え? あ、ぅん……」  とは答えるもののやっぱり抵抗がある。

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