222 / 855

ー鼓動ー222

「ま、確かにそれはあるのかもしれないな」 「こっちはそういう事じゃないやんか……シなくてもええって訳やし」 「ま、そうなのかもしれねぇけど……」 「ぁああ! もう! ええ!!」  そう言うと雄介は起き上がって来る。 「やっぱな……俺はこっちの方が性に合っとるわぁ」  そう言うと雄介は俺の事をベッドの上へと押し倒すのだ。 「ちょっと! まだ、話がついてないだろうが!!」 「あー、いや……もう俺には耐えられないっていうんかな? 胸だけでも楽しめたんやからええやろ?」 「え? あ、いやっ! やってみたいんだからよ!」  俺は寝た状態から体を上げようとしているのだけど全然起き上がれる気配はなかった。  そりゃ、重力では力の差はあるのかもしれないのだけど断然、雄介の方が力があると言った方がいいのかもしれない。 「な、そういう事やから……望にはこういう役目っていうのは似合わないっていうんか」 「だって、それじゃ、いつもと変わらないだろ?」 「いつもと変わらなくてええと思うで、ホンマに俺は挿れられる方は無理やし、それだったらいつも挿れられとる望の方がええやろ?」 「あのさ……それで俺が納得出来ると思うか?」  俺はそう言いながら雄介の事を睨み上げる。 「あー、ほな、どうしたらええ?」 「だから、俺にいつも雄介がやってる事をやらせろって言ってんだ」 「んー、ほなら、俺の蕾の中に指入れられるんか? ほら、さっき胸の突起の時に躊躇してたやんか」 「それは研修医時代にやった事があるから……出来ると思うし」  その言葉に雄介は目を丸くして俺の事を見ていた。 きっとまさかの答えだったのかもしれない。  ……これで、俺がヤってみる事が出来るかな? 「それに……たまには俺の気持ちになってみるのもいいんじゃね?」 「あー、んー……」  とまだ考えている様子の雄介。 「俺だってな、最初は痛かったんだぞ……でも、雄介の為だって思ったら、ヤるしかなかったんだからな」 「ほな、望がそこまで言うんやったら、望に任せてみようか?」

ともだちにシェアしよう!