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ー鼓動ー224
「へ? あ……ああ……」
雄介の方はまさか指を俺に抜かれるとは思ってなかったのか、キョトンとした瞳で俺の事を見ている。
「あ、えー、だから、雄介には、やっぱこういうのは似合ってないっていうのかなぁ?」
そう雄介から視線を外して言う俺。
流石に雄介の視線に合わせてそんな事言えやしない。
しかも自ら提案した事だったから余計にだ。
「ほなら、どないするん?」
「あ、えーと……その……いつものように……?」
そう誤魔化すように言う俺。
雄介は自分の中から指を抜かれて起き上がって来るのだ。
「いつもにようにって……?」
「だから、雄介がいつも俺にやってるように……でいいって言ってんだ……」
「んー? そう投げやり気味で言われてもな……やる気出ぇへんっていうんか……」
「え? あ、あー」
それが俺の悪所なのかもしれない。
それに最初は俺が雄介の事を攻めると言い張っていて雄介はそれを許してくれたんだし、今度はそれが嫌になって元に戻すとも言ってる訳だし、確かにこれでは完全に俺のわがままだろう。
しばらく考えた後、俺は雄介に向かい、
「ゴメン……」
と言い頭を下げる。
「何がゴメンなんや? 反省するんやったら、その反省する事を言ってくれへんと意味ないんやで……」
そう静かに言う雄介はどうやら怒っているようだった。
……今日は俺が雄介の事怒らせたんだよな?
「だから……その……わがまま言ってゴメン……って……」
それでも俺は雄介の顔をまともに見ていられなくて完全に雄介の視線からは外してしまっていた。
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