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ー鼓動ー245
「ホンマは和也達のお土産用して買うてきたんやけど。 まぁ、また、今週、暇ある時にあっこのお店に行ったらええねんな?」
……いやいや……そういう問題じゃねぇからっ!
と俺は心の中で雄介に突っ込む。
「な、たまにはこういうのもええねんやろ? 自分から乗っかって気持ち良くなれるっていう玩具も……」
と雄介は俺の顔見て言ってくるのだけど今の俺には雄介の事を見つめる事しか出来なかった。
「やっぱ、流石にこれは出来へん?」
俺の事に気付いた雄介。
俺はその言葉と同時に再び雄介の事を見つめる。
「あ、いや……」
そして直ぐに視線を離す俺。
「その答え方やと、どっちだが分からへんねんけど?」
確かにそうだ。 こういのを曖昧な答え方というのであろう。
「俺的には……望が嫌だっていう事はしたくないし……本当に嫌やったら嫌って言ってくれた方がええねんけど?」
そう言われてしまうと俺の場合には負けず嫌いな部分もあって、少し「やってやる!」という気持ちも湧き上がってくる。
これが和也の場合には確信犯なのかもしれないけど雄介の場合には?
雄介の場合には……普通になのかもしれない。
考えなくてももうそこは分かる所だった。
もう雄介とは長年一緒にいるのだから、分かっている所だ。
俺はひと息吐く。
後は俺の発言次第なんだから、そこは慎重にという所だろうか?
……いい? 悪い? やってみたい? やってみたくない?
ただそれだけを答えればいいだけ……。
雄介の場合には本当にそれだけなのだから。
でも、これだけ回数をこなしていると逆にそれを使ってみたいという興味はある。
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