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ー鼓動ー269

 その後はアナウンサーさんが雄介に向かい、頭を下げて、 「ありがとうございました」  と言って違う人の所へにも行ったようだ。 「なんだ雄介緊張してたんじゃねぇのか?」 「ま、流石にな……初めてやったし、むっちゃ緊張したわぁ」 「そういうもんなのか?」 「そういうもんやって……望やってやってもらったら良かったのに」 「……って、俺がそういうタイプに見えるか?」 「確かにな……望はそういうタイプじゃないのかもしれへんなぁ。 ま、ええわ、その放送があるのは二週間位後やって言っておったし、そのクイズ番組も和也達と一緒に見とるやつやしな……和也達には黙っておって、サプライズみたいな感じにしておこうや」 「確かになぁ、それはそれで面白いのかもしれねぇな」 「せやろ?」  そう話をしながら目的の場所へと到着していた。  駅からは大分歩いたのだけど、その途中インタビューされたり会話をしながら来たりしていたら、どうやら直ぐに着いてしまっていたらしい。 「後は下でチケット買ってエレベーターで行くみたいやで」 「そうみたいだな」  俺達はチケットと買うとエレベーターで展望台へと向かう。  エレベーターを降りると窓からは360°一望する事が出来た。 「今日は晴れておるから富士山が見えるみたいやで」  と子供のようにはしゃぐ雄介。  そう言って雄介と窓際の方へと向かうと家や街並みが小さく見える。  こういう所というのか高い所に来たのは初めてな俺。  結構高さがある事に驚かされた。  しかも、ある部分は床がガラス張りで出来ていて本当に下が見える状態だった。  俺は高所恐怖症ではないのだけど流石の俺でもそこから下を見ると足がすくんでしまいそうだ。  高い所から見る東京の景色。  本当に前に地震があったのか? と思わせるような景色が下には広がっていた。  あの時は本当に大変だったのだけど今はほぼ平穏な日々の戻って来ている。  だから、こういった観光地も楽しむ事が出来るのかもしれない。

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