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ー鼓動ー274

 家に帰宅してきた俺達。  今の時刻はまだ十五時位だった。  俺は帰宅してくると直ぐにエアコンのスイッチを入れてソファへと腰を下ろす。  雄介も何もする事がなかったのか、俺の横に腰を下ろすのだ。 「ほなら、今日はどないする?」  もう何回その言葉を聞いただろうか。  既にもうその言葉に飽き飽きとした頃だ。  でも確かにその言葉しか今はないのかもしれない。  しかし今回一週間も休みをくれたのはいいのだけど本当に逆に暇過ぎてどうしようもなかったような気もする。  勿論、事件にも事故にも巻き込まれる事もなかった。  それはそれで良かったのかもしれないけど、何だか物足りないような気もしてくる。 「あー、んー、そだな……何しようか?」  俺に振られても何をしたらいいのか。 なんて分かる訳もない。 だから、そういう感じで雄介へと振り返すのだった。 「もう、何もする事ないよなぁ?」 「まぁ、そういう事だな」 「俺達に一週間の休みなんていらんのかもしれへんなぁ」 「そうなのかもな……まぁ、今回は雄介を検査する為に東京に来た訳だし……まぁ、一年に一回息抜きをしに東京に戻ってくるのもいいかな? って感じなんだけど?」 「まぁ、確かにそうなのかもしれへんな。 働いていた方が一日時間潰すのも楽やしな。 そりゃ、いい意味でやで」 「そりゃ、働いていた方が確かに楽だよなぁ。 ってか、俺達は働いてる方が一番いいんじゃねぇ?」 「うん! そうやね! 今回の事でよーく分かったわぁ。 まぁ、明日一日適当に時間潰して島に戻ろうなぁ!」 「ああ、それがいいな」  俺達がそう決めても僅かにしか時間が動いていないような気がする。  確かに東京で働いている時は時間が過ぎるのは早いと感じていたのだけど、今こうして東京に居ても何もしていないと時間が過ぎるのは遅いと感じられる。  周りの人間がいそいそと動いてる訳ではない。 だから時間が過ぎるのが早いという訳ではなさそうだ。 自分までいそいそと働いているのだからそう感じていたのであろう。  今回一週間の休暇を取ってそれが分かった事だ。

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