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ー鼓動ー280

 こんな事は滅多にしない事なのだけど朔望達にこの一週間診療所の方を手伝って貰ったのだからある意味お礼の気持ちでって所なのかもしれない。  焼肉をしながら会話を楽しむ俺達。  勿論、話を盛り上げるのは和也と雄介だ。 だが今日は朔望達もいる。 朔望も歩夢も加わると一段と騒がしい気がするのは気のせいであろうか。  裕実と俺は大人しくその光景を見てるだけだった。  焼肉を済ませると今度は花火を始める。  この時だって騒ぐのは雄介と和也だ。  そんな二人に俺と裕実はため息を吐きながら線香花火でチマチマとやる方が好きらしい。  空にはいくつもの星が煌めいていた。  何億光年前の光を地球へと降り注いでくれて、楽しませてくれる星達。  星、太陽、月はその地球の歴史をいつまでも見続けていてくれる。  今までどんな歴史を太陽達は見てきたのであろうか。  まだ人間が地球で生活する前恐竜時代からずっとこの地球を見てきている太陽。  太陽や星に比べたら俺達が生きてる時代というのはほんの一部にしか過ぎない。  その中で人間というのは色々と学んで生きている。  これから先どんな事が起きるのか。 なんて誰にも分からない事だろう。  もしかしたら、この地球が無くなってしまっているかもしれない。  俺達にはそんな事は見れないのかもしれないのだけど太陽や月はそれを見届けているのであろう。  星だって宇宙の中では消えては生まれを繰り返しているらしい。  そう考えると人間の命も変わらないという事だ。  この地球に生まれて来て良かった……。  だって仲間や恋人に出会えたから……。  この時代に生まれて来て良かった……。  それも、今の仲間や恋人に出会えたから……。  これからもずっと一緒にいたい仲間と恋人だから……。  僕達の命というのは星や太陽に比べたら、確かにほんの一瞬の事なのかもしれないけど……そんな一瞬の命の中で僕達というのは毎日のように一生懸命に生きるんだ。 ほんの一瞬の事だから今を頑張れるんだ。 ー鼓動ーEND NEXT→ー至福ー

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