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二章ー至福ー1

※現実世界とは違うかもしれませんが、そこは私の妄想の世界で書いているのでご了承下さいませ。  昨日は朔望と歩夢も参加してのバーベキューパーティーを庭でした後は普通に寝た俺達。  そうその前に三組でヤろうって事になったが、雄介がどうにかこうにか断ってくれたおかげで三組合同でスるって事はなくなった。 そこにはホント雄介には大感謝だ。  ホント雄介って俺からしてみたら本当に優しい。 ホント俺からしてみたら雄介が恋人っていうのは勿体なくなってきたようにも思える。 いや前に雄介が言っていたけど、雄介は俺がいるから俺にだけ優しく出来るんだ。 って言っていたような気がする。  とりあえず再び俺達というのは島での暮らしがある。 朔望と歩夢は昨日俺達が乗って来た船で再び春坂へと戻って行くのだ。 そして俺達の方も普段の生活へと戻って行く。  いつもと変わらない診療所。  でも俺と雄介からしてみたら一週間振りにはなるんだけどな。  診療所の白衣をパサリと羽織って、スッと袖を通す。 その音を聞くと自分の中でスイッチが入ったような気がする。 いや仕事のスイッチが入るのだ。 そして息を吐きながらロッカーを静かに閉める。 これが俺流の仕事スイッチの入れ方なのかもしれない。  そう俺達の家と診療所の間にちょっとした更衣室みたいなのがあって、そこにはロッカーがあって、そこに白衣を入れられるようになっていた。 たまにはこうやって一人の時間みたいなのを作ってひと息吐くのも悪くはない。  元々、俺は静かな空間が好きだからだ。 この島に来てからは、和也や裕実も一緒に住むようになったのだから、常に耳には何かしら声や音が入って来ているのだから余計にだ。 この一瞬だけでも精神統一までとは行かないけど、一人の時間に浸る。  だって島に来てからというもの和也も裕実も居る訳だから一人の時間っていうのは殆ど無いに等しいのだから。 別にみんなと居る時間というのは嫌いではないのだけど、たまには一人で居たい時だってある。 そんな時には最後までロッカーに残って一人になるのだ。 「よしっ!」  と自分に気合いを入れると俺はみんなで用意をしている診療所の方へと向かうのだった。  本当にここは東京と違って静かな所だ。 診療所に入ると波が行ったり来たりと波音しか聞こえて来ないのだから。 東京という所というのは常に何かが動いているからうるさく感じるのかもしれない。 きっと人工で作った物と自然が作る音ではこうもうるささが違うという事だろう。 自然の音というのは基本的に静かな音が多いもんなのだが、人工で作っている車やバイクや電車というのはわりと耳に入って来てうるさく感じるものだ。 いや時に自然というのは怒る事がある。 その時には人工で作られている物よりも人間を怖がらせるような音を出しているのかもしれないのだけど。  いつものように俺はそんな自然の音を聞きながら、自分の診察室でパソコンを覗くのだ。

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