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ー至福ー24
その間も時は流れていく。
時計の秒針が時を刻み、時を過ぎて行くのを感じる位なのだから。
本当に俺という人間は人と話すのが本当に苦手なのかもしれない。 仕事はある意味、マニュアル的な感じなのだから慣れているのだけど、実際、患者さんと業務以外な事を話すのは苦手なのだから。
ホント今日は自分の変な所に気付いてしまったようにも思える。
そうだ今まで雄介と暮らしている時っていうのは結構雄介から色んな話をしてくれていたから会話する事は出来ていたのだけど、こう自分から話すっていう事に慣れていない俺は会話が続かないという事なのであろう。
……もしかして俺ってコミュニケーション能力っていうのは無いのかもな。
秒針が部屋内を支配してしまい勝手に時が過ぎて行く中で、お風呂場の方から物音がして来た所からすると、きっと和也達がお風呂から上がって来たのであろう。
そこに今日の俺は何故かホッとしてしまっていた。
そしてリビングへと入って来る二人。 しかし和也っていうのは何でこうも色々な事に敏感なんだろうか、リビングへと入って来るなり、
「な、すっげー、静かなんだけど……裕実と望って話とかってしないのか?」
しかしホント和也っていうのはデリカシーが無いというのか、別にそこまで聞く必要が無いんじゃないかっていう位に聞いて来る。
「うるせぇなぁ、たまたま、静かになっちまった訳なんだからいいだろ。 それに、俺達っていうのは仲悪くはないんだからさ」
俺の何気ない一言に和也はちゃんと聞き取ってしまっていたようだ。
「……へ? 別に俺はそこまで望には聞いてないんだけどな。 って、事は、裕実と望っていうのは仲が悪いのか?」
「別に聞いてないからって答えなくてもいいっていう訳じゃねぇだろ……なら、いいじゃねぇか……別にそこに深い意味っていうのは無いんだからよ」
「ま、確かにな……望と裕実だったら、そこの所は特に関係は無さそうだよな。 ま、二人共さぁ、こう会話っていう事に慣れてないから会話が続かないって言った方がいいのかもな」
本当に和也っていうのは、俺達の事をよく分かってるっていう所であろうか、ま、確かに裕実と俺というのは会話が上手く続くっていう事がなくても実際仲は悪くはないのだから。
「とりあえず、寝ようぜ」
と和也は言うものの今の時刻というのはまだまだ二十一時だ。 流石に小学生低学年でも現代においてそんな早くに寝れる訳がない時間でもある。
「だってよ……今日は、望と雄介っていうのは大人のお楽しみ会をする訳だろー。 なら、もう部屋に行ってさぁ、ごゆっくりと、ヤったらいいんじゃねぇのか?」
そう言う和也の顔というのはホントだらしのない顔というのか、ニヤけてしまっている顔というのか、にやにやしたような顔というのか、とりあえず締まりのない顔でそう言って来るのだ。
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