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ー至福ー25
「……へ? あ、やぁ……って、そう言われて俺がスる訳ねぇだろがぁ!」
そういつものように俺の方は腕を組み和也とは全く違う方向へと顔を向けてしまう。
俺からしてみたら今の和也の言葉で当然な行動をしたまでだ。
「んじゃ、望は口に出した事っていうのは実行しないんだな。 それって、約束破るのと一緒なんじゃねぇのかな?」
と和也の方は何故か余裕そうな感じで言ってくる。 ってか上から目線っていうのか……ホント和也とは長年一緒にいるからなのか仕事では医者と看護師の関係だっていうのに、プライベートでは友達以上の関係っていうのか、こう何でも言い合える仲と言った方がいいのであろうか。 とりあえず仲は悪くはない関係だという事だろう。
しかも若干ふざけて言っているのだから、完全にはムカつかないのだけど俺の性格というのは本当に素直な性格ではない。 いや最近は雄介に対しては素直になってきたと思うのだけど、まだまだ和也には素直になれていないという事だ。 いやきっと和也の場合には茶化してくるから俺的にはまだまだ素直になれないという事だろう。
しかしそんな風に言われて俺の方は何も言えなくなっていると、雄介が助け船を出してくれたようで、
「ま、ま、ええやんかぁー。 和也達も疲れておるんやし、とりあえず寝ようや」
そう言って雄介は和也の背中を押してリビングを後にすると今日の雄介はそのまま和也の背中を押して二階にある寝室へと向かったようだ。 俺達の方もリビングの電気を消してその後に続いて二階へと向かう。
雄介は二階の和也と裕実の前まで来て先に和也の事を部屋の中へと入れると続いて裕実の方も軽く肩に触れて二人共部屋の中へと入れてくれたようだ。 ちょっと俺はその雄介の姿を自分の部屋の前で見入ってしまっていた。
それで最後に雄介は和也と裕実に「おやすみ」と言ってドアを閉める。 ホント雄介っていくつになっても人に対して優しいように思える。 まぁ、人の性格っていうのは意識的に変えようと思わない限りは変えられないのだからそういう事なのであろう。
そして雄介は俺の部屋の前へと来ると今度は俺の背中を押して部屋の中へと入らせて来る。
もしかしたら今までこんな事っていうのはなかった事なのかもしれない。
だからなのか久しぶりに俺の胸が高鳴ったような気がした。
雄介は俺の背中を押してベッドまで連れて来ると、
「ほな、俺達も寝ようか?」
その言葉に寧ろ俺の方が目を丸くさせてしまっていた。 だってさっき和也にああ言われたのに雄介は「寝ようか」と言うからだ。
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