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ー至福ー34
「な、雄介……好き……」
完全にこの行為で酔ってしまっている俺っていうのは、普段はあまり言わないような言葉さえも、こうもスラスラと言ってしまっていた。 ホント吐息混じりで言うもんだから今日の俺っていうのは色っぽいだけなのかもしれない。
その俺の言葉で雄介は一瞬目を丸くしたのだけど、次の瞬間には微笑んでくれて、
「もう、今日の望には負けたわぁ……俺の方も今日の望にドキドキってしてきたしな。 でも、どないするん? 今日は望が動いてくれるんか?」
その男らしい声に、頭だけを頷かせる俺。
もしかしたら今日の俺というのは話さえも上の空で聞いているのかもしれない。 その問いでさえも聞こえているようで聞こえていなかったのかもしれないのだから。
「ほな、俺はどうしたらええ?」
そう俺の方を見上げて優しく問うて来てくれる雄介。 俺が雄介のお腹の上に跨って座っているという事は若干ではあるのだが雄介よりも高い位置にいるからだ。 普段立っている時というのは、雄介の方が背が高いのだから俺が雄介の事を見上げる事が多いのだけど今の体勢では違う。 そう俺が雄介の事を見下ろす感じだ。 普段見上げてばっかりだから何だか気持ち的には優越感だ。 でも逆に言えば色んな俺の表情を見られてしまうっていう事になってしまうのかもしれない。
雄介の方はその体勢が疲れて来てしまったのか、それともやはり雄介の方が動きたくなったのかっていうのは分からないのだけど、俺の体をほんの少しずらして雄介の足の付け根辺りへと移動させてきた。
「……へ? 何で?」
そう小さな声で突っ込む俺。
「今まで俺の方が気持ち良くならせてもらったんやから、今度は望が気持ち良くなる番と違うの?」
そう言うと雄介は、丁度いい位置にある胸の突起へと俺が着ているパジャマの裾を捲って舌を這わせて来るのだ。
もう何回もそこは雄介には吸われたり這わせられたりしているせいか、そこは雄介の舌というのは分かっているようで、雄介の舌先が胸の突起へと触れただけで体中に電流みたいなものが走り始める。
本当に俺からしてみたら、そんな事気持ちいいに決まっている。 いや今日の俺というのはこういう行為を自分からしてみたかったからなんであろうか、いつも以上に体がビクビクとしてしまっているようにも思える。
自分がシたいと思っている時にスるのは、こんなにも気持ちいい行為だとは思ってもみなかった事なのかもしれない。
いつも以上に高鳴る鼓動。
目の前には本当に心から好きになった雄介。
しかも今日はこういう行為をしているから余計に鼓動というのは早く波打っているという事だろう。
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