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ー至福ー37
「ふぅん……ぁあん……ぁあああ!」
今一瞬、体が震えたのが分かった。 本当にもうそろそろ俺が限界っていう証拠だ。
しかも今回は胸の突起だけでイってしまいそうだ。 そう今まで何年も雄介が丁寧に俺の胸を舐めてきたり摘んで来たりして敏感になってきていた証拠だろう。
何でか急に胸の突起に痛みが走る。
「ちょー、いやぁあー! 痛っ!! やぁあん!」
その瞬間だっただろうか、俺は『イくっ!』とも言わずにいきなりイってしまっていた。
さっきから肩で呼吸は繰り返していたのだけど、イった後というのはもっともっと肩で呼吸を繰り返し、胸の辺りも異常な程に上下させていた。 額からは汗が流れ今にも崩れ落ちそうな俺の体を雄介は自慢の腕っぷしで俺の二の腕辺りを支えてくれるのだ。
「二回目イった気分っていうのは、どういう気分なん?」
いつもの雄介の優しい声にプラスして見上げて来るように聞いて来る。
そんな雄介の行動に俺の胸の鼓動が高鳴ってしまったのは言うまでもないだろう。
なんていうのか確かに雄介っていうのは、優し過ぎてヘタレと思う奴もいるんだろうけど、見た目っていうのは男の俺からしてみてもカッコいい。 身長は百八十センチあるし、消防士時代に鍛えて来た体や腕もある。 顔だって爽やか青年っていう感じなのだから本当に惚れてしまう奴は惚れてしまうだろう。
だけど本当に雄介っていうのは、そういう話っていうのは今まで一切聞いた事がない。
確かに消防士っていう仕事柄、同僚達は男性ばっかりだから女性と触れ合う機会が少なかったのかもしれないのだけど、小児科医になってからは女性と触れ合う機会があった筈だ。 あ、いや、小児科医だから逆に女性に告白されたりした事がなかったという事なのかもしれない。 だって小児科医っていうのは子供をメインで扱う所なのだから、子供達の親っていうのは、やはり旦那さんがいる人が大半なのだから、ある意味、雄介の人生の中で女性と一緒に居られる時っていうのは少なかったのであろう。
そう思ったら何故だか急に笑えて来てしまった。 挙句、吹いてしまう俺。
「……へ? 何!?」
まぁ、急に笑い出してしまった俺に、雄介がそう反応してしまうのは当たり前だろう。 しかも若干パニックかのように目までも丸くしてしまっているし、キョロキョロと辺りを見渡してしまっているのだから。
「な、雄介……お前ってもしかして、今まであんまり女性がいた事がなかったとか?」
「……はぁ!?」
そうびっくり仰天したような表情で聞いて来る雄介。 ま、そりゃ当たり前の反応だろう。 こういう行為をしていていきなりそういった普通の話になってしまったのだから。
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