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ー至福ー57

 男性同士だから慎重にっていうのもあるのかもしれないけど、それでもやっぱり結婚っていうのは、これからの一生のパートナーとして歩んで行く訳だから、じっくりと悩むべくところなんだろう。 「そんな事、分かっておるって……もう、ホンマ、姉貴は心配症なんやからなぁ。 だから、大丈夫やって……」  雄介は流石にこの話に関してはスピーカーにしてないのだから、隣に居たって雄介の言葉しか聴こえてきやしない。 かと言って、この美里さんと雄介との会話を後で俺に話してくれるかどうかさえも分からない所だ。  いや今の俺はもう雄介には厳しくいかないとダメなのかもしれない。 だって俺からしてみたら雄介には自分の事をきちんと俺に話して欲しいからだ。  すると雄介は急にソファから立ち上がって、リビングから何処かへと行ってしまう。  流石に雄介も電話の内容を聞かれたくないって事なのかもしれない。 それなら仕方がない。 実際、俺だって人に電話の内容っていうのは聞かれたくはないのだから。  だから仕方なく俺は和也達と一緒に今はテレビを見てるしかなかった。  しかし休日のテレビっていうのは、わりと再放送が多い気がする。 ついこの間、テレビで見たなぁ。 と思うのが多いからだ。  そう言えば雄介が席を立ってから、もう十分位しただろうか。 なんか長い気がする。  ま、あの美里さんから電話が掛かって来たんだから、きっと雄介は説教みたいなのをされているというのか、説得させられてしまっているのかもしれない。 それに美里さんが一番雄介の性格っていうのを知っているのだから余計にだろう。 それに美里さんは俺と雄介が恋人だっていうのも知ってる訳だし、何気に俺からしてみたら一番の相談相手なのかもしれない。  そうさっきだって気持ち的に美里さんには雄介の事で愚痴ってしまっていたのだから。  そして俺がソファに座ってから一時間後位だっただろうか、やっとリビングへと通じるドアが開き、雄介が気持ち疲れたような表情でソファへと座って来た。  それに気付いた和也、相変わらずというのか、 「……流石に美里さんじゃ、電話長かったんだな。 で、何を言われて来たんだ?」 「ちょー、待って、ホンマに姉貴と電話っていうのは疲れるわぁー……」  そう言いながら雄介はソファの背もたれに完全に体を預け、本当に疲れているのか、そう和也に静止をするのだ。 「やっぱ、望との結婚の事でか?」  雄介は待ってって、言ったのにも関わらず和也はそう聞いている。 ホント和也ってそう言うところ空気読めてない人物なのかもしれない。

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