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ー至福ー67

 いや違う。 今日は本当に素直な気持ちで雄介の事を受け入れているのだから、いつも以上に体が敏感になっているのかもしれない。 なら今日はこのまま雄介に酔いしれた方がいいのではないかと思う。  しかし雄介の抱き方っていうのは本当に優しい。 きっと己の欲の為だけに動いてないからなのかもしれない。 本当に相手の事まで考えてくれているからこそ優しいのであろう。  そう思っていると、雄介の温かい舌先が今度はお腹から上へと這わされてくる。 それだけでも俺の体というのはピクピクとしてしまっているのに更に雄介は胸の突起付近へと舌を這わせて来るのだ。 その舌先は俺の胸の突起の周りを舐める。 暫くそこを舐めていた雄介なのだけど、逆に俺の方がそれだけでは足りないとくねくねと体を動かしてしまう程だ。  しかしそんな近くに雄介が居たら、俺の心臓の鼓動が聴こえていやしないかと心配になってくる。 今の俺の心臓は早く波打っている。 だから余計に雄介の耳に届いていないかと心配になるのだ。 いや今は別にその鼓動の音を聞かれてもいいのかもしれない。 だって俺等っていうのは、もう結婚しようと決めた相手なのだから、このままずっと一生一緒に居る相手だからこそ何もかも見られても聞かれてもいいと思う位なのだから。 そう思うと今日の俺というのは、心臓の鼓動が益々早くなってきているようにも思える。  そう色々と思っていると、雄介の温かい舌先が胸の突起を見つけたのか舐めてくるのだ。 「ふぅ……ん!!」  それと同時に俺の背中は仰け反りビクリと反応する。  もう雄介とこういう行為をしてきて何年も経つのだから、無意識に体がもう覚えているという事だろう。  胸の突起というのは何気に敏感な所だ。 だから体が反応してしまうというところだろう。 確かに女性でも敏感な所でもあるのだけど、男性でもそれは同じという事だ。  そして雄介の場合にはこういう行為をする時っていうのは、本当に大人しい。 きっとSな男性とかなら、言葉責めとかっていうのをしてくれるのかもしれないけど、雄介の場合にはわりと無口だ。 それはそれでいいのか? っていうのは分からないのだけど、寂しいと言えば寂しいのかもしれない。 だけど雄介が言葉責めっていうのは? やはり違うのかもしれない。  雄介の舌先が俺の胸の突起を吸い上げる。 「ぁあああん!!」  本当に舐められるよりか吸い上げられる方が弱い。 益々背中を逸らしてしまう俺。 いや寧ろ、その行為というのは逆に雄介にそこが気持ちいいアピールでもあるのかもしれない。 そして胸の突起を突き上げる事でより舐めやすくしてしまっているのであろう。

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