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ー信頼ー88

 急に何でかドキドキとして来たように思える。  俺達というのは確かにこういう行為というのは何十回、何百回としてきたのかもしれないのだが、俺がマグロ状態で雄介が俺の中に挿れるだけとしかしてこなかったとしか思えない。 だからこう初めての事にドキドキとしているのであろう。 簡単に言えば緊張しているという事だ。  俺は緊張して来た鼓動に、息を吐く。 自分を落ち着かせる為にだ。  そうこうしているうちに雄介の方はもう準備が出来たようで、 「なぁ、俺の方はもうやってもうてええか?」 「……へ?」  その言葉に俺の方は素っ頓狂な声を上げてしまう。 だって俺の方はまだ準備が整ってないからだ。 「ちょ、あ、いや……何でもない……。 あ、ああ……いい」  そう曖昧な答え方に、雄介の方は逆に難しそうな表情をして来る。 「あ、それって、どういう意味なん?」  確かに前にそんな事を話して来たようにも思える。 だから雄介は聞いてきたんだろう。 それに、「いいよ」とは曖昧な答えでもあるのだから。 本当にいいのか、悪いのかが分からないという事だ。 「大丈夫だ。 っていう意味なんだけどなぁ」  それでも雄介の方は首を傾げてしまっている。 それに雄介の場合には遠回しに言わないでストレートに言った方が通じると和也が言っていたのかもしれない。 「もう、大丈夫だ……」  俺はそう言うと、雄介のモノを軽く強く握り思い切って雄介のモノを口へと咥えるのだ。  これで十分に雄介には分かっただろう。  ちょっと気持ち的に俺の方が積極的になれて優越感に浸っていたら、雄介の方も俺の後ろの蕾を舐めて来る。 「んっ! ひぃっ! な、何?!」  雄介モノを口の中に含んでいた俺だったのだが、雄介にそんな行動をされてしまい、思わず雄介のモノから口を離してしてしまっていた。  生温かい感触に柔らかい何か、体が無意識にビクリとしてしまっていたのだから。  確かに今までこういう事をしてもらった事がなかったから一瞬何が起きたのかっていうのは分からなかったのだが、何となくの知識でその生温かい何かは分かったような気がする。  しかし本当に今日の雄介は今までした事がないような事を本当しているような気がする。  益々、俺の鼓動は高鳴るばかりだ。  再び息を吸ってゆっくりと吐くと、俺の方も雄介のモノを口へと含むのだ。  しかし人間のモノというのは、舌先で感じ取っている中では、温かくて意外にもツルツルしてて何と言っても不思議な味がしているような気がする。  無味無臭っていう程ではなく、今まで食べ物を食べて来たのだが、その食べ物の中には無い味だ。

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