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ー至福ー130
「で、和也達は本当に子供はいらないでいいのか?」
俺の方は再び和也にそう問うてみた。
「まぁな……俺達の場合、確かに子供は好きなんだけど……自分の子供となると、なんか違うような気がするんだよな? いや、流石に虐待とかっていう事じゃなくて、なんかこう自分達で精一杯っていうのかな? 今を精一杯生きてるから、こうなんか子供は必要無いっていうのか……んー……それを、上手く説明する事っていうのは難しいんだけどさ。 俺達には子供を育てる資格がないっていうのか、足りないっていうのかな? ま、まぁ……なんか裕実と話をしていても、俺達には子供が欲しい! っていう気持ちには何でかならないんだよなぁ。 でも、俺の方は、もうこれ以上、裕実以外に好きになる奴はいない。 と宣言したいから、裕実にはプロポーズしたけどな。 あー、裕実にだけ愛情を注ぎたいっていう事なのかもしれねぇよなぁ? なんか、そこの所は分からねぇんだけど……俺の場合には、そういう感じっていうのかな?」
今の和也の言葉で俺は思い出す。
「あ! あのさ、和也は裕実になって言ったんだ? あ、あー……そのさ、プロポーズっていうやつ……?」
俺の方はその事を和也に聞いていて逆に恥ずかしくなってしまったのか、和也からは視線を離し顔を赤くし最後の方は小さな声で聞くのだ。
「……え? それは……だな……。 本当に本当にごく普通にっていう所かな?」
流石の和也も恥ずかしかったのか、俺から視線を離して気持ち的に顔を赤くしているようにも思える。
「え? そ、そうなのか……?」
何だか自分からその質問をしていたのに、急に空気が変わってしまった事に、動揺してしまっているのは寧ろ俺の方なのかもしれない。
俺的には今の質問は失敗したようにも思える。
ホント、普段しないような事をしてしまうと、やはり気不味くなってしまうもんなんだろう。
和也の方も、こうなかなか他の話に切り替えないで完全に視線を逸らしてしまっているのだから。
「あー、と……そのさ、もし、美里さんがオッケー出してくれたら、望達は一旦島を出る事になるのか? それで、春坂に行ったりしたら、住む場所とかは? あ、そっか……朔望達がここに来てくれるんだから、また、あの家が空くんだから、望達はそこに住めばいいんだもんな。 って、事は、ある意味、美里さんが代理出産をいいって言ってくれれば、望達はまた春坂で住む事になるんだな?」
とりあえず話を切り替える話があったのか、和也はそう俺に振って来るのだ。
「え? あ、まぁ……そうだな」
そこの所は雄介と話をして、大分固めていた事だから、俺一人でも簡単に答える事が出来た。
「それが、一年か? または、二年になるか? っていうのは、分からないけどな」
「ま、そん位はかかる事になるのかぁー」
そう遠い目をする和也。
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