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ー至福ー143

「俺は……和也の意見でいいかな?」  と俺の方はどうしても和也の意見に同意したくないというのか、恥ずかしいというのかはにかむような笑顔を和也へと見せるのだ。  だけど和也も俺と長年一緒にいるだけあるのであろう。 俺のそのはにかむかのような笑顔で俺の事を分かってくれたような気がする。 「望は、それでいいんだな」 「ああ、まぁ……そうだな。 俺達は一旦春坂の方に戻って、色々と子供までの手続きとかっていうのをしてくればいいんだろ? それで、また、色々と終わったら、この島に戻ってくればいいんだし」 「そういう事だな。 少しの間一緒に住んじゃったから、望達と離れるのは寂しいけど、望や雄介が結婚したくて子供が欲しいっていうんだったら、今はそれが手っ取り早いんじゃないかな? って思ってな」  確かに和也の言う通りだ。 この島に来て、二ヶ月。 俺達というのは和也達と居るのがもうある意味当たり前になっていた。 だから少し寂しいのかもしれない。 それに和也に関してはもう十年も一緒にいた存在で、俺からしてみたら本当に側に居て当たり前の存在だったのだから、もしかしたら変な感じになるのかもしれない。  そうだ。 和也とはある意味沢山の思い出がある。 一緒にお酒飲んだり、時には喧嘩したりして、ずっと側にいて当たり前の存在が少しの間だけ無くなってしまうのは、確かに寂しいのかもしれない。  そんな事を言われ、俺は想いに耽る。  和也という人間は本当に雄介といるより一緒にいる時間は長い。 いつも俺の隣に居て当たり前な存在だった。 それが今回の事で暫く会えなくなってしまう。 どうにかこうにか最近は和也達に慣れて来たかのように思われた矢先に離れる事になる。  少し寂しい気もするけど、別に永遠の別れではないのだから。 それに今は和也とというより雄介と結婚して子供も作った方がいいんじゃないかと考える方が先決なのかもしれない。 後は雄介次第なんだけど、未だに雄介の方は腕を組んだまま考えてしまっている。  雄介からしてみたら、そんなに難しい問題なんであろうか。 俺の方は和也がそれを言ってからは、特に何も意見なんていうものはなく、寧ろ賛成だったのだから、それでいいと思ってた。  裕実の方も何も言わないのだから、きっと和也の意見に賛成なのであろう。 寧ろ、裕実の場合には俺達の意見次第という所であろうか。 本当に裕実の場合には本当に自分の意見が無い場合にはあまり言って来ない人物でもある。  そこは当たり前であり、俺達の幸せを願ってるからこそ言ってくれている所なのだから。  そして急に雄介が席を立ち上がる。 そして、

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