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ー至福ー144

「ほなら、そうさせてもらうわぁー」  そう答える雄介は笑顔だ。 今まであんなに険しそうな表情をしていたのに、そう決めた途端に笑顔になったという事は雄介の中でも解決したという事なのであろう。 「そんで、姉貴にもちゃんと話して、代理出産の方もきちんと面と向かって話をしたいし、もし、それがダメでも、養子の申請とかもしたいしな。 ホンマ、俺達のわがままで島を一旦抜ける事になってまうけど……」  雄介はそこまで言うと、和也達に向かって頭を下げ、 「俺達がいない間、島の事、診療所の事、お願いな……ホンマ、こういう事頼めるのは、親友であるお前達にしか頼めない事やし、ホンマのホンマに宜しくお願いします」  と言うのだった。  本当に雄介っていう奴は、人間味があるというのか親しい仲にも礼儀ありというのか、俺が認めた人物というのか、そういう所本当にしっかりしていると思う所だ。 「ああ、分かったよ。 大丈夫だって、ここは、俺達に任せておきなって……それで、望達が結婚して養子でも二人の本当の子供でもここに連れて戻って来てくれたら、俺達的にはいいからさ」  和也らしい言葉に俺達の方はより安心し、俺と雄介は自然と視線を合わせると笑顔が溢れさせる。  とりあえず俺達の方はいいのだけど、この島に来てくれる医者達というのは、朔望達でいいのであろうか。 「そういや、ここに来る医者は朔望達でいいのか?」 「え? 俺等的には、全然、朔望達で構わないんだけどな。 流石に新城や他の人達に来てもらうのは嫌だしなぁ。 それだったら、朔望と歩夢でいいしさ」 「でも、最低でも一年は一緒にいないとならねぇんだぞ」 「あ……」  この前来てくれた時には、一週間で済んだから、まだ一緒にいられたのかもしれないのだが、今回は少なくとも一年以上はここにいないのだから和也達が朔望達に耐えられるかどうかっていうのもあるのかもしれない。 「もしかしたら、俺達の方が根を上げてしまうのかもなぁ……」  そう軽く冗談ぽく言っている和也。 でももしかしたら本気な事なのかもしれない。  朔望や歩夢は確かに知ってもいる人物でもあるし、この前の一週間は確かに島に残ってくれた人物でもある。 だけどあの二人だと性格云々カンヌンからすると、ずっと一緒に居られるか? っていうのが問題なのかもしれない。 「ま、そこは、全然、俺的には朔望達でいい所だけどな。 だって、他の知らない連中に来られても、もっとヤダしさ」  確かに和也の言う通りだ。 俺だって、もしそうなった場合、他の知らない人物よりか性格が悪くても知っている朔望達の方を選ぶのだから。 「なら、朔望達に電話してみるか? それで、先ずは頼んでみるしかねぇよな?」

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