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ー至福ー146

 流石にその和也の意見に反応したのは裕実だ。 「ですね。 では、一ヶ月に一回でって事でどうですかね?」  そこは流石に裕実の方が折れたのであろう。 それに和也の意見だってごもっともな意見なのだから。 「じゃあ、一ヶ月に一回な! しかも、その時は濃い内容にしような」  なんて語尾にハートマークな付きそうな勢いでも言っていたのだから、和也の場合のは濃い内容になりそうだ。 寧ろ、一日楽しんでしまうタイプでもありそうなのだから。 「じゃあさ、一ヶ月に一回っていうんだったら、朔望達も一緒にっていう事でいいんじゃねぇのか?」  半分冗談で半分本気で言っているような和也に、段々と俺の方は吹きそうになって来る。 本当に和也という人間は、ああ言えばこう言うタイプなのかもしれない。 「だから、それは違うんですってばぁっ!」  そりゃ、当然裕実の方は怒るだろう。 そういう事っていうのは二人で楽しみたいもんなのだから。 それを未だに分かっていない和也。 そこがいいんだか悪いんだかは分からないのだが。  それに四人でヤるっていう事を和也はその時にうんと楽しんでしまったからこそ、そういう風に言っているのかもしれないのだが。 いや俺達と四人でヤった事がある。 だからなのか四人でヤる楽しみを知っていて、和也の場合には言っているという事だろう。  二人のそんな言い合いを聞きながら、俺の方は、 「とりあえずさ、俺達の意見だけではどうにもならないからさ、本人達にもちゃんと意見とか聞いてみないとな、だろ?」  そう言って、俺の方は自分のスマホを出すのだ。 「へぇ、珍しいよなぁ。 望から朔望達に電話するなんてさ……」 「あ……」  そこは無意識な行動だったのかもしれない。 でも、これは俺達の話がメインなんだから、当然俺から電話をするのが筋というものだろう。 「だってさ、それは、当たり前なんじゃねぇのか?」  と俺の方は普通に言ったつもりだったのだけど、どうやら和也の方は未だににやにやとしているようにも思える。  そこは放っておいて、とりあえず朔望達に電話をしてみる俺。  何回かのコール音の後に出た朔望。 「え? 何? 兄さん……今、取り込み中なんだけど……」  その朔望の言葉に俺の方は吹きそうになる。  ホント、コイツ等は毎回毎回電話する度に体を重ねていて、どんなに飽きないんだろうかと思う位だ。 「……毎回毎回、大事な話をしたい時に限って、お前等はいつもシてるんだよ!」 『だってさ、流石に仕事している時には出来ないじゃない? だったら、休みの日にこういう事は楽しまないとねぇー』  確かに朔望の言う通りなのだけど、だけど毎回毎回電話する度にだと、こっちとしては真面目な話が出来ないという所であろうか。

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