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ー至福ー147

 俺はそこにイライラとしながらも、 「マジで真面目な話だからさ……聞いてくれねぇかな?」 『……ってか、逆に言うけどさぁ、毎回毎回、僕達がお楽しみ中に真面目な話をしてくるのは兄さん達の方なんじゃないのー? それを、僕達のせいみたいに言わないでよねぇ』 「……ってか、お前等の方がシ過ぎなんだろー」  そんな答え方にまだイライラとしている俺。 漫画だったらとっくに額辺りに怒りマークが出ている状態でもある。 『シ過ぎって何? 僕達は恋人同士なんだから体重ねるとかって当たり前だしー、人間なんだから気持ちいい事は好きに決まってるしー、もしかしたら明日にでも死ぬかもしれないんだったら、自分の人生後悔したくないしー、だから、僕は今を楽しんでるつもりなんだけどな』  その朔望の言葉に俺の方は言い返すのを一旦止めてしまう。 今朔望達が体を重ねている行為というのは置いておいて……確かに朔望の言う通りだという事に俺は気付いたからだ。  そう確かに自分の人生なんだから自分が生きたいように生きる。 当たり前な事なのだけど、自分は仕事ばかりで何か忘れてしまっているようにも思える。  そうだ。 自分の人生なんだからこそ、自分の自由に生きていいんだから。 それに人間明日にでも死んでしまうかもしれないのに、その日その日を大事に生きないでどうするのであろうか。  それに人間は動物界の中では長生き出来る方ではあるのだけど、太陽や星に比べたらほんの一瞬で人生なんて終わってしまうのだから、本当にその日その日を大事に生きたらいいって事だ。  なら、俺の方も朔望達に自分達の人生プランを頼んでみてもいいのではないんだろうか。 「あ、あのさ……」  そこで俺は今まで雄介と話していた事や、今和也達と話ていた事を全部朔望に話始める。  すると今まで水音が響いていたかと思ったのだけど、それが急に止んで、 『いいんじゃない? 兄さん達が、そう決めたならさ……。 何? 次の便で僕達は兄さん達の所に行ったらいいの?』 「いや、それは流石に早くないか? だってさ、まだ、何も準備してねぇだろ? それに、今回は前回のように一週間とかっていうレベルじゃねぇんだぞ。 一年とか二年とかになるんだから、それなりにお前達だって荷物が必要になってくるだろうしな」  その俺の言葉に朔望の方は、「そっか……」という独り言が聞こえて来た。  そうだ。 今回は前みたいに一週間だけ朔望達が島に来てくれるっていう訳ではない。 荷物も多少は多くなるだろう。 それに朔望達の場合には春坂病院で働いているのだから、患者さんの引渡しとかもあるのだから、今回も一ヶ月位時間が必要になってくるという事だ。 「とりあえず、一ヶ月後を目標にしてくれればいいじゃねぇのか?」 『分かった……』  そう静かに言ったかと思えば、朔望の方は再び歩夢の中へと挿れたのか、水音が聞こえて来る。

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