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ー至福ー153
いや、まだそこまで雄介の場合達していないのかな。 そうまだ若いのだから。
確かに年の方は年々年齢というのは勝手に上がって行くのだから、歳なのかもしれないのだけど、顔の方はまだまだ童顔な方なのかもしれない。 俺からしてみたら、年相応な顔をしてないからなのかもしれないという事だ。 いやいつも一緒にいるから歳取ってるという感覚がなくなっているだけだ。
「とりあえず、俺の方は風呂に入って来たから、和也ー、風呂に入って来ぃー」
雄介にしては珍しく和也にそう促すのだ。
そこにハテナマークを浮かべる和也。
「……へ? あ、でもさ、俺等方は、まだ話し合いしてんだけど……」
「そんな事言うとったら、和也の方はなかなか風呂に入れへんやろ? それに、俺等がしている仕事っていうのは清潔さも必要やからなぁ。 そういう意味でも入って来た方がええで……」
何だか雄介にしては当たり前の事を言っているように思えるのだけど、こう他人の会話をへし折ってまで和也にお風呂へと促すような事ではないような気がするのは気のせいであろうか。
そこに俺も和也も頭にハテナマークを浮かべているようにも思える。
「あ、まぁ……雄介がそう言うんだったら、お風呂行って来ようかな?」
そう言う和也。 もしかしたら雄介が無理にでも和也にお風呂に入って来いと促すもんだから、何かあると踏んだのかもしれない。
「んじゃあ、宜しく……」
なんて事を言って、和也はお風呂場へと向かったのだから、もしかしたら雄介言いたい事が和也には伝わったのであろう。
俺は元からダイニングテーブルの椅子に座っていたのだが、雄介は俺の隣りへと腰を落とし、裕実の方は今まで和也が座っていた椅子へと腰を落とすのだった。 そう雄介の真ん前へと腰を落とす裕実。
何で、この二人がリビングテーブルの椅子に座ったのかは全くもって分からない。 雄介の場合は俺がリビングテーブルの椅子に座ってたから座ったっていうのは分かるのだけど、裕実の方はよく分からない。 きっと今さっきの和也と雄介の会話で空気を読んだのであろう。
しかし雄介と裕実がこう面と向かって話をしようとしているのは初めてだ。
いや別に雄介が裕実と話すって決まった訳ではないのだけど、完全に雄介は裕実と話したいという雰囲気を出していたのだから、裕実は雄介の前へと座ったのであろう。
雄介は裕実とどんな会話をしたいのであろうか。
「な、裕実……ホント、今まで俺達の事、色々と助けてくれてありがとうなぁ……」
そう笑顔で裕実に向かって感謝の言葉を言う雄介。
本当にその言い方だと意味がありそうだ。
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