440 / 855
ー至福ー160
その雄介の言葉にコクリと頷く。
すると雄介の方も今日は何かを開放したかのように、俺の事を離さまいと抱き締め、更に唇を重ねて来る。
もう今日はこのまま雄介に流されてしまうと思ったのだが、どうやら雄介は動きを止めてしまったようだ。
そんな雄介に俺の方は心配になり、
「……雄介?」
と声を掛けると、
「もうな、明日からまた暫く仕事やから、今日はもうここまでな……これ以上望に近付くと、俺の方が我慢出来なくなってくるし……」
「あ……」
とそこに納得してしまう俺。 確かにそうなのかもしれない。
この土日は色々と話し合って精神的に疲れたのだが、明日からは仕事で今度は体力的にも精神的にも疲れる事だろう。 いや俺の方はこの仕事に慣れているのだから疲れたっていう感じはしないのだが、もしかしたら雄介の方はまだ疲れるからなのかもしれないからだ。
だけど何だか今日はここで寝れる感じがしないのは気のせいであろうか。 何だか体が興奮状態だって言っても過言ではない俺。 ただ単純に寝付けないだけなのかもしれないのだが。
興奮状態でいて、これをどうやって抑えるか? っていうのは、俺には分からない事だ。
雄介が寝てしまってから、一人でヤる方がいいのであろうか、それともずっと前の雄介のように一人トイレに籠ってやった方がいいのであろうか。 ホント、今の俺の体っていうのは、まるで高校生と変わらないのであろう。
高校生位だと、どうやらヤりたくてヤりたくて仕方がないというのを聞く。 その高校生時代の俺っていうのは、勉強づくしで一人でさえもヤった事が無い時期でもあった。 だから雄介と付き合うようになってから、雄介と体を重ねる事を覚えてしまい、それが気持ちいい事にだっていう事も同時に覚えてしまったのだから、それがいいのだか悪いのだかは分からないのだが、こうして定期的にそういう事がしたくなってくるのだ。 ただ俺の場合、本当に一人でシてイった事がない。 寧ろ、雄介じゃないと出来ないだろうし、イけない体になってしまっているのだから、一人興奮状態になってしまった時というのは厄介だ。
しかも直前に雄介には体を触れられてしまい余計になのかもしれない。
でももういい加減、一人でスる事を覚えないと、ホント雄介がいないとイけない体になってしまうのだから、雄介が寝たら、そっとトイレでシてくれば後はもう寝れる事が出来るだろう。
性欲があるのは人間だから仕方がない事ではあるのだが、もうこの歳になって未だに性欲が衰える事を知らないのはマズいのではないだろうか。
いや人間なのだから性欲はあっていいと思うのだが、こうせめて一人でイけるようになりたいとは思う。
ともだちにシェアしよう!