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ー至福ー162
こうも息遣いも荒くなってきているものの、本当にイく気配のない俺の体。 しかもエアコンが無い所だからなのか体は汗でベッタリ状態になって来て、こう体全体が気持ち悪い。 吐く方の気持ち悪いではなく不快感の方の気持ち悪いだ。
体中汗を掻いて来ているのに、達しようとしない体。 もう喉元辺りまで来ているような気がするのだけど、まだ本当に全然イこうとしてないような気がする。
「はぁ……はぁ……ん……んん!」
ただただこう気持ち良さの中に疲労感が強くなって来ているのは気のせいであろうか。
これがきっと二人でヤる事を先に覚えてしまった体という事なのであろう。
本当に何回も脳までイきたいという感覚はくるのに、後一歩が足りない気がする。
「誰かイかせて」と心の中で思うのだが、今の時間っていうのは、みんな寝ているのだから、誰かがこんな夜中に起きて来る訳が無いだろう。 しかも大人なのだから夜中にトイレに起きて来るなんて事は滅多な事ではないだろうし、ましてやここは一階のトイレなのだから気にする訳もないだろう。
そこに思いっきり息を吐く。
もうそれなら自分のモノが大人しくなるのを待った方が早いのではないだろうか。 だから俺の方は暫くそこで自分のモノが大人しくなるのを待つ事にした。
そこで考えるのは、今俺達の起きている問題だ。
今の時代、やっと同性でも結婚出来るようになって子供も養子または代理出産で授かれるようになった。 本当に俺と雄介は結婚して子供を望んでいる。
俺の方は全くもって子供というのは興味無かった事だったのだけど、本当に雄介の事が好きだから、雄介との子供っていうのは欲しい。 と思っている。
本当に雄介の事が好きだから、雄介との子供が欲しいと思ったのであろう。
例えば、和也とだったら、もしかしたら子供が欲しいと思わなかった事なのかもしれない。
今まで雄介と俺というのはここまでやって来た。 出会ってからもう十年以上経ってるのに俺の方は本気で雄介の事を嫌いになった事はない。
雄介という人間は本当に何でも出来る。
家事に仕事にとだ。 それに性格は優しくて思いやりもあって、本当に俺からしてみたら勿体無い位の人間だと思うのだけど、雄介の場合には「俺だから頑張れる」と言っていた。
いやあれが本当の雄介の姿なのであろう。
なら尚更、俺の方はもう誰にも雄介を取られたくはない。
今はそんな感情さえ芽生えている位、雄介の事が好きだという事だ。
そこで暫く考え事をして、自分のモノが大人しくなるのを待っていたら、急に人の気配があるというのか、夜中なのに廊下が軋む音が聞こえて来る。
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