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ー至福ー187

「あー、もっと、詳しく説明しなきゃ分からんかったかー……」  そこは雄介は半分位は独り言のようだったのかもしれない。 雄介は少し考えて俺の方へと視線を向けると、 「Tシャツに短パン姿やと、何かあった時にってな、夜中の地震とか火事とか津波とか……? ま、そういう事があった時に、パジャマ姿やと若干外に出るのって恥ずかしいもんやんかぁ」  その雄介の言葉に、俺の方は、 「え? だって、そういう事が起きた場合っていうのは、みんな一緒だろ? ほら、パジャマ姿っていうのは一緒なんだからさ」 「ま、確かにそうなのかもしれへんけど……なんや、俺からしてみたらパジャマ姿にで外に出る事自体が恥ずかしいっていうんかな?」 「あ、そういうもんなのか? 別に俺の方は、みんながパジャマ姿だったんなら気にしないと思うんだけどな」 「まぁ、望みたいな考え方の人もおるんやと思うねんけど、俺みたいな考え方の人も居るっていう事やんなぁ。 それと、休みの日なんか部屋着としてもおられるんやから、起きて直ぐにリビングソファとか寛げるやんかぁ。 着替えるのって結構めんどくさいやんか……せやから、ま、休みん時はゆっくり出来るようにこのまんまで居れる所が利点なんかな?」 「あ、あー、成程なぁ。 でもさ、パジャマは寝る為に作られている服なんだから、そっちの方が楽じゃんか……」 「ま、そうやんなぁ……。 ま、まぁ……俺はパジャマに関してはそういう事やから、とりあえず今はお風呂行こ!」 「え? あ、ああ……そうだな」  そう気付いた時には雄介が俺の後ろから背中を押していて気付いた時には、もう俺というのはお風呂場の前にまで来ていた。 「そういや、また、俺はお前と二人になっちゃうんだな」  俺の方は洋服を脱ぎながら雄介に話し掛ける。 「え? あ、まぁ……確かに、そうやんなぁ……。 やっぱ、望からしてみたら、和也が居ないっていうのは変な感じなん?」 「あ、いや……そういう意味で呟いたんじゃなくてな。 なんか、今まで和也とは一緒に居たから、何だか急に離れてしまう事になると、何かが足りなくなりそうな気がしてんだよな」 「ん?」  そこで雄介は天井の方へと視線を向ける。  何か俺が変な事を言ってしまったというのであろうか。 ま、変な事を言ってしまったこそ、雄介の方は天井へと視線を向けてしまったのであろう。 「あ、あのな……今の望の言葉おかしくないか?」 「へ?」  その雄介の言葉に今度俺が言葉を裏返す番だったようだ。 どうやら何でかその時の俺っていうのは頭の回転がなってなかったらしい。

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