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ー至福ー191
って、事は? 今日の雄介っていうのは、本当に雄介の言う通りオオカミさんになってしまうという事だろうか。
「……え? まさか、雄介? 本気?」
今度は俺の方が顔を引き攣らせているのかもしれない。
しかも雄介の方は、その俺の言葉に頭を縦に頷かせているのだから。 本気だという事だ。
ホント、俺が素直になると結果はこうなるという事なのであろう。 いや確かに今の俺は雄介とスる事自体は嫌ではないのだけど。 やはり体に方は勝手に身構えてしまう。 という所はであろう。
「あ、いやぁ……ちょ、ちょ、待っ……」
雄介が俺の肩を抱き締めて、真剣な瞳で俺の事を見つめて来る。
再び俺の鼓動が早く波打ち始めるのだ。
「え? あ、いやぁ……しかも、ココ、お風呂だし?」
俺は何か言い訳を考えているのであろうか、よく分からないような事を言い訳にしているような気がする。
「お風呂じゃ、嫌なんか?」
「あ、いや、そういう訳じゃなくてさ……」
本当に今の俺っていうのは自分自身が分からなくなってきているのは気のせいであろうか。 本当に雄介に迫られて、今の俺っていうのはパニック状態になってきているように思える。
ほんの一瞬、俺のペースに雄介の事を巻き込めたと思えたのに、気付いた時には、もう雄介のペースになってしまっていた。
俺の心臓の鼓動が普段より波打ち続けている中、更に雄介の顔が先程より目の前に来ているような気がする。
「え? ちょ、雄介……?!」
確かに俺からしてみても今ではこんな状況は嫌ではないのだけど、こんなに迫られるとどうしたらいいのか? っていうのが分からないからなのか本当にパニック状態の俺。
もう雄介の顔が眼前に迫って来た時には、既に俺というのは瞳を瞑ってしまっていた。 そして次の瞬間には額に温かさを感じる俺。 それというのは雄介が額にキスをしてきたという事だろう。
「……へ?」
俺は瞳を開けると裏声まで上げてしまっていた。
「へ? え? 何?!」
確かに今までパニック状態だった俺なのだが、更にパニック状態なのかもしれない。
「クス……望のそんな焦ったような表情見ておったら、スる気なくなってもうた。 っていうんか……逆にこれからは俺と一生一緒に居る人になるのだから、今まで以上に大事にせな。 って思ったしな。 だから、俺だけの理性だけで、望を抱くのは違うな。 って思ったんや……だけど、あまりにも今の望が愛おしかったしな、せやから、キス位はええやろ? って……」
本当に俺は雄介っていう人間に溶かされてしまいそうだ。 本気で俺の事を大事にしてくれているからこそ、そんな言葉が出て来るのであろう。 それに本当に心臓がいくつあっても足りない。 っていう言葉もこういう時に使えそうに思えて来る。
そして俺は一旦心臓の鼓動を落ち着かせる為に深呼吸をすると、雄介の事を見つめるのだ。
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