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ー至福ー196

「それに、俺等はこれから結婚すんだろ? それに、俺は本当に雄介の事が好きになったのだから、雄介に体を任せる事にしたんだからさ。 まだ、そこは信じられねぇ?」  その言葉に再び喉を鳴らす雄介。 「あー、スマン……。 恋人の言葉を疑ってまって……。 そこは、俺の悪い癖やんなぁ……」  そう頭まで下げて手を合わせてまで謝って来る雄介。 そこの所は本当に自分が悪い事を言っていると反省しているのであろう。 ホント、そこまでされると誠意というのが伝わって来る位なのだから。  そして雄介は一旦天井へと顔を上げると、思いっきり息を吸い込み、次の瞬間には再び頭をシャワーヘッドの下へと向けるのだ。  そこに俺の方は頭にハテナマークを浮かべたのだが、次の瞬間には謎が解けたような気がする。  要は雄介の中で一旦自分の頭を冷やそうと思ったのであろう。  シャワー水で一回頭を冷やした雄介。 そして俺の肩を両手で抱き締め、 「ホンマ、今一瞬でも望の事を疑ってもうてスマンなぁ。 こんな俺でスマン! もっと、しっかり出来たら、良かったんやけど……そこは、俺の性格やし、堪忍してな。 優柔不断な俺も悪いし、望の言葉を疑ってまう俺も悪いしな」  そう本当に雄介っていうのは、心の底から悪いというのは伝わって来る位だ。  人間の言葉ってそういうもんだろう。 冗談とかおふざけで言ってる言葉と真剣に言ってる言葉では本当に全くもって違うもんなのだから。 「雄介……今までずっとお前が俺の事を想って来てくれたからこそ、今の俺はお前の事を信じれるようになって来たんだよ。 だから、お前との結婚だって決意する事が出来たんだからさ。 確かに、お前からしてみたら、俺がお前の事を信じれるようになるのは遅かったかもしれないけど、それでも、事実今の俺はお前の事を本当に信じる事が出来た。 寧ろ、今の俺からしても信じれるのはお前しかいない。 今だから素直に言える。 本当に俺はお前の事が好きだ。 本当に愛してる……」  そう俺は一旦雄介の腕を取って、雄介の事を見上げるように真剣な瞳で言うのだ。  これで完全に俺の想いは通じただろうか。 「ホンマ、俺も望の事……愛しとるから……」  今度雄介の方が俺の体をしっかりと抱き締めて来てくれる。 そして再び唇を重ねて来る雄介。  恋人なのだから、何度でもキスはしたいと思う。 そして何度でもシたいと思う。 「望にそないな事言われたら、もう、俺の方が我慢出来んようになってきたわぁ」 「ん……」  その言葉に俺の方は甘く言葉を返すのだ。

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