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ー至福ー197
それを雄介もちゃんと俺からの返事だと受け取ったのであろう。 今日の雄介の暴走はもう誰にも止められないかのように、このまま立ったままの状態で、何度も何度も唇を重ね、そして舌を俺の口内へと忍ばせては絡ませてくるのだ。
俺の甘い吐息がお風呂特有のタイルへと響き渡る。
寧ろ俺の方も今まで以上に、こういう行為に今まで以上に雄介に甘えているのかもしれない。 寧ろ今日の俺は雄介に完全に体を委ねたいと思っているのだから。 若い子ではないけど、体の奥から何かこう疼くような感じがしているような気がする。 そして自分からも雄介に求めたいと思っているからこそ体の奥から疼いてしまっているのであろう。
しかし今日の雄介というのはいつもより唇を重ねている時間が長いような気がするのは気のせいであろうか。
俺の方だって流石に、それだけ唇を重ねている時間が長いと苦しくなってくる位なのだから。
「……ゆ、雄、すけ……?」
そう雄介の胸の辺りを押してみるものの、今の雄介っていうのはピクリとも動かないようにも思える。 そうさっきは動かせる事が出来たのだけど、今は全くもって雄介の体は動こうとしないのだ。
いや、ただ単に俺の腕に力が入ってないからなのかもしれない。
雄介からの長いキスで力が入らないっていうのもあるようなのだが、きっと今の俺っていうのは全くもって雄介には抵抗する必要が無いと思っているから力はあまり出てないのかもしれない。
そして雄介の方は俺の唇に満足したのか、そのまま舌を体の方へと這わせ首筋や鎖骨へと舌を滑らせている。
雄介から唇は解放された俺。 解放されて待っていたのは、ただただこういう時に出る甘い声だけだ。
「ぁ……ふぅ……」
今日の俺っていうのは完璧に雄介の事を求めていたからなのか、いつも以上に甘い声が出ているような気がする。
本当に体までもこういう行為を求めている時というのは、心の奥底から声が出るのだから、きっといつも以上に甘い声というのが甘く聞こえて来るのであろう。
「ちょ、いやぁ……え?」
雄介が俺の体に触れてくるだけで、俺の体はピクリとし、今まで全くもってピクリともしてなかった俺の自身のモノも少しずつ反応してきているようで、勃ってきていた。
今日はもう既にお風呂という場所だからなのか、俺達というのは生まれたままの姿でもある。 だから雄介には俺の姿が丸見えの状態だという事だ。
服を着ている時というのは、こう徐々に色々な所が露わになるものなのだから恥ずかしいもんだけど、今の俺というのは服を着ている時よりも恥ずかしい。
完全に雄介に見られているという羞恥心で俺の体全体が赤くなって来ているような気がする位なのだから。
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