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ー至福ー198

 雄介の舌は徐々に俺の体である下の方へと向かっているのか、普段は洋服で見えないような部分にまで舌を這わす範囲を広げて来ている。  だからなのか俺の体は警戒してしまったのか、これから来るであろう快感の波が来るのが分かっているからなのか、体に力が入ってしまっているようにも思える。  雄介の舌は本当に今日は何かに解放されたかのように、俺の体中を這い回る。 それに一々反応してしまっているのは寧ろ俺の体の方だ。  今までピクリと反応していた俺の体は、いつに間にかピクピクという反応になってしまっていたのだから。 「ぁ、ぁあん! ゆ、雄介……っ!? ちょ、いやぁぁあん!」  益々声だって甘く大きな声にもなってくる。  こう脳にも快感っていう波が襲い始めて来ているからなのか、淫らに腰も今にも動いて来そうになってきているのは気のせいであろうか。  確かに今日の俺っていうのは、雄介の事を求めていた。 だから余計にいつも以上に俺の体というのはこういう行為に対して反応しているのであろう。 それに雄介とはもう何回も体を重ねて来ているのだから、体の方も分かっているという事なのだから。  雄介が俺の体中に舌を這わせている中、未だに一番体の中で快感が襲って来るであろうポイントには舌は這わされていない。 何だか、その快感という波の一歩が来ないからなのか、イマイチ、こう俺の体に思いっ切った快感の波が来ないのは気のせいであろうか。  そう今はまだまだ快感という波は穏やかな感じがするのだから。  そして俺の声だって、未だにまだ足りないっていう感じもして来る。  果たして雄介はそれに気付いているのであろうか。 しかし本当にこう中途半端な快感っていうのはもどかしい。 「ふぅ……ん……」  だけど俺の腰というのは今にも淫らな動きをしてきそうな感じがしているのは気のせいであろうか。 「ん? 今日の望はもう足りなさそうな表情をしとるな……こう瞳まで潤わせて……」  確かに雄介の言う通り今の俺っていうのは、瞳を潤わせている。 本当にこんなにも今日の俺っていうのは快感に溺れたいと思っているからなのであろう。 それに今雄介にちょっと意地悪な事を言われたような気もするけど、全くもって今の俺は気にしないという感じだ。  未来の旦那様になる人なのだから、全くもってそういう事は気にしないという事だろう。 「ぁ、ぅん……なぁ、雄介……もっと……」 「……へ?」  今までそんな事を俺は雄介に言った事はなかっただろう。 だけど今日の俺というのは本当に雄介の事を信じてるからこそ自分から雄介の事を求めたのかもしれない。

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