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ー至福ー222
雄介の方は俺のその言葉で一瞬お風呂場から出掛けていた足を止めていたのだが、首を傾げながらもドアを開けて出ていく。 そんな姿に俺の方が安堵のため息が出たのは言うまでもないだろう。
だけど実際どうしたらいいのか。 っていうのは分からない。
これが若い頃ならば、いや人とスる事を知らない体ならば、数回自分のモノを手で擦っただけでイけてスッキリとしてしまうのであろうが、俺の体とううのは二人でスるっていう事を覚えてしまっているのだから、そういう訳にはいかないのはもう自分の中でも知ってる事だ。
とりあえずダメ元で浴槽の縁に座って、ゆっくりと勃ち始めてしまっている自分のモノへと手を添えてみる。 そしてゆっくりと動かし始めてみるのだ。
未だにお風呂場にいるのだからばっちり体の方は濡れている。 当然、モノの方だって濡れていてお風呂内に濡れた音を響かせる。 聴覚をも今は刺激されている筈なのに、数回扱いた位では俺の先端部分からは白い液体が出る訳では無さそうだ。 確かに歳だって言われればおしまいなのだが、それでも男の性というのは誰にも止められない。 勃ってしまえば、気持ち悪いもんだし、勃ってれば周りに直ぐにバレてしまう。 だからそれをおさえる為には白い液体を先端部分から吐き出さないと勃ってるのはおさまらないという事だ。
ホント、そういう所、男の体というのはめんどくさいのかもしれない。
そしてさっきから何回も何回も俺は自分の手で自分のモノを扱いているのだけど、本当に体の方は熱くなってきているものの何かが足りないのか、イく寸前にまで達するものの本当に先端部分から白い液体が飛び出て来る気配もなく、手が止まってしまう。
そこで再び息を吐く俺。
そこで上がってしまった息を整えながら体の力を抜く。 そして天井を見上げるのだ。
「やっぱ、無理なんだよなぁー……」
額の汗を手で簡単に拭い天井を見上げる。
当たり前な事が当たり前に出来ない。 本当にそこが辛い。
若い頃に自分が普通にそれをやってたなら、きっと今頃一人でヤる行為を苦戦しなかっただろう。 だけど今更後悔しても遅いもんは遅い。 ならとりあえず自分のモノが落ち着くまで逆に大人しくしておいたらいいと思った俺は、もう何も考えずにジッと天井を見上げる。
深呼吸をしながら熱くなってきていた体を少しぬるめのお湯で冷やす。 たまに頭からお湯を被ってみたりして体を冷やしてみるのだ。
どうにかこうにか今回はそれで抑える事は出来たが、熱くなる体というのはお風呂場だけではないのだから、これから体がこういう風になってしまった時の対処方法を考えなければならないだろう。
ま、一番の近道は雄介にシてもらうという事なのだけど、俺にはそう簡単には行かないのだから。
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