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ー未知ー11
確かに子供を育てるのは大変なのであろうが、そうやって美里さんが頬を緩ませてしまう所もあるのだから悪い所ばかりではないというのであろう。
こう自分達で育てて来たのだからこそ喜びもあるということなのかもしれない。
確かに、先ずはどんな子供が生まれて来る? っていうのは分からない。 美里さんの言う通り、生まれる前から病気があって生まれて来る事さえも出来ない子供もいるだろう。 例え生まれて来れたとしても病気で生まれて来る可能性だってある。 そして何も無かったとしても生まれて来てから病気になってしまったり怪我をしてしまったり、高熱が出てしまったりして色々大変な事はあるのかもしれないけど、大きくなってくれば、嬉しい事も楽しい事もあるという事だ。
子供を生むっていうのは、大変な事も多いのかもしれないけど、その分、楽しさや嬉しさ等もあるという事なのであろう。
「あの……それで、今は電話でというのか、俺的にはちゃんと姉貴と会って、その事について話したいと思う。 確かに、電話だけで通じるもんは沢山あるのかもしれないけど、今度はちゃんと顔見て話したいんだ。 それに、まだまだ姉貴に真剣に話さなきゃならない事も沢山あるし、だから、俺達の為に時間作ってくれないか? その時は、家で話するから……」
『そういや、雄ちゃん……今は何処に住ませてもらってるの?』
きっとそこが美里さんには気になってしまったのであろう。 そう質問して来たのだから。
「今は、前の家に住ませてもらってるんだけどなぁ」
『前の家って? あの一軒家の? だって、そこは……』
そこで言葉を止めてしまったという事は美里さんは、その事について知らないのかもしれない。
「ま、まぁ……そこの所もそん時に話すし……きっと、姉貴にはまだまだ色々と話さないとならない事、沢山あると思うからな……」
『そういう事ね。 分かったわぁ……とりあえず、今日は仕事休みだったから良かったけど、今度は来週になっちゃうわよ』
「その日に、また、お願いな」
と既に雄介の方は軽い気持ちで言っていたのだけど、
『ホントっ! 雄ちゃんがそんな態度では、雄ちゃん達の頼まれごと聞いて上げる事が出来ないわよ。 本当に、それだけ重要な話なんだからね』
と最後は再び怒られてしまう雄介。
そこで雄介は再び改まって、
「また、その日にでも、お願いします!」
と今度はキチンとしたような口調で最後には頭まで下げて言うのだ。
確かに兄弟間とか親とかっていう身内間で敬語とかを使うのは難しいであろう。 だけどこれだけ真剣な話をしているのだから、ふざけた感じではいけないという事だ。
雄介も美里さんにこう真面目な口調というのかタメ口では無い感じで話すのが難しいようで、途中何回も崩れてしまいそうになっていたようにも思える。 寧ろ最後の方は完全にいつもと変わらないような感じになってしまっていたのだから、当然、美里さんから注意を受けてしまう事になったのであろう。
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