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ー未知ー30
きっと今までこういう行為に関しても何かこう縛られてしまっていたのだから、やっと解放されて自由の身になっていたのかもしれない。 だからなのか余計に雄介の場合にはテンションが上がってしまっているということだろう。
とりあえず俺は今はもう恥ずかしがらずに、雄介の前で脱ぎ始めると、そのスーツをハンガーへと掛けるのだ。
そうただただホテルに入って来た早々にスーツを脱ぎたくなかっただけだ。 何だか、ホテルに来て早々にいきなりスーツを脱ぐと本当にただヤる事だけが目的で来た用に思われるのは流石に恥ずかしかったからなのかもしれない。 まだそこの所には恥じらいがある俺。 だから今はもう雄介の方が先にスーツのジャケットを脱いだおかげで今はスーツを脱ぎ、それをハンガーへと掛ける。 勿論、ネクタイもシャツもズボンもだ。
やはり流石にブランド物のスーツは汚したくはないと思ったからであろう。
その間に雄介の方もスーツを脱ぎ終えたようで、雄介も俺同様に隣にあるハンガーへとスーツ類を掛けるのだった。
「なんや、望ー。 今日は、ボクサーにしたんやな?」
「え? あ、ああ……まぁな……」
そんな変な所に気付かなくてもいい。 と思いながら俺の方はお風呂場へと向かう。
しかしこういう所のお風呂というのは、ドアもそうなのだけど、壁もガラスで出来ている所が多いような気がする。
確かにもう恋人とかと長く、慣れている関係っていうのは、別に恥ずかしくとも何とも思わないのかもしれないけど、初めて来たとか、セフレで初めて出会った人とかだと、気不味くて仕方がないのかもしれない。
俺がそう思っていると雄介は、まださっきの事を気にしているようで、
「へ? え? 何で、今日の望はボクサーなん? だって、いつもはトランクスやんかぁ……」
そう何でかしつこく雄介がそこについて言って来る。
「何が、いけねぇんだよ……俺がトランクスだろうが、ボクサーだろうが、別にそこはお前には関係無くないか?」
そうあまりにも雄介がそれについてしつこいもんだから、気持ち的に面倒くさそうに言う俺。
「え? まぁ……確かに、そうやねんけどなぁ……。 えー、でも、なんでやねんなぁ……?」
こう本当にしつこい位に下着について聞いてくる雄介に半分呆れながらも、俺の方は思わず、
「それに、風呂に入った後、バスローブ一枚しか着ないんだから、そこは別に気にする所じゃねぇだろ!」
と言ってしまっていた。
その直後、一瞬だけこの空間が静まり返ってしまったのは気のせいだろうか。 いや完全に雄介が固まってしまっていたのだから当たり前なのであろう。
俺の中で本当今の瞬間何が起きたのかさえ分からなくなってしまっていたのだから。
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